百瀬莉緒
それそれ、小鳥さんイケる口でしょ!?ガンガンやっちゃってよ。
音無小鳥
うーん、せっかく花金フライデーだから、仕事を早めに片付けたのに……
音無小鳥
まさか莉緒さんに付き合わさせるハメになるとは。トホホ……
百瀬莉緒
ほらほら、律子ちゃんも遠慮は要らないから。今日はお姉さんに支払い任せてもらっていいわよ。
秋月律子
いや、私未成年ですから……美味しいソフトドリンクをいただきますよ。
百瀬莉緒
もう、ノリ悪いなあ。だったらなんで、私達について来たのよ。
秋月律子
飲んだくれる気配の莉緒さんと、そのストッパーにならない小鳥さんをほっとけないからです!
音無小鳥
……やっぱり私、今日も残業してくるべきだったかしら。
秋月律子
サービス残業でも、光熱費は掛かるんですから、時間内に終わらせるのが正解ですからね。
音無小鳥
でもなんで、莉緒さんがそんなに荒れてるんですか?今日のイベント、良かったんでしょ?
百瀬莉緒
ええ、最高だったわよ。男子学生限定のライブでね、みんな私の魅力に当てられてたわ。
秋月律子
大人の男性をあえてオミットしているのは……確実に成功させたいプロデューサーの配慮ですね。
音無小鳥
まあ、莉緒さんの魅力の伸びしろがまだ有る、ということにしましょうよ。
百瀬莉緒
でね、ライブ終わってタクシー移動で。仕事終わったらプライベートタイムだから……
百瀬莉緒
プロデューサーくんも、勇気出して誘ってくれるかなあ、なんて考えてたのに。
秋月律子
そこで、自分から踏み込めないのが、なんとも莉緒さんらしいというか。
百瀬莉緒
なに言ってるのよ。お互いいい大人だから、仕事時間に個人の感情や衝動を持ち込んじゃダメよ。
音無小鳥
プロ意識が高いようで、普段の仕事ではそこまででもなかったり。不思議ですよね。
百瀬莉緒
もう、うるさいなあ。どうせ私は、「惜しい」とか「残念」とかが似合う女ですよ〜だ。
秋月律子
そうやっていじけるのが、大人になり切れてない証拠ですって。
百瀬莉緒
ひどいのはプロデューサーくんなんだから。途中で自分だけタクシー降りてさ……
百瀬莉緒
「自分は今日中の仕事がまだ残ってるので、先に事務所に戻っててください。」だなんて。
百瀬莉緒
誕生日のレディをエスコートもせず、一人きりにするなんてガッカリよ。
音無小鳥
そこは、莉緒さんの言うのがごもっともですね。プロデューサーさん、女性の気持ちに疎いから。
秋月律子
……
秋月律子
莉緒さん、プロデューサーは「戻ってて」って言ったんですか?帰って、じゃなくて。
百瀬莉緒
ショックだったからしっかり耳の中に焼き付いてるわよ、その言葉。
秋月律子
プロデューサー、莉緒さんに事務所で待っててほしかったんじゃないんですか?
百瀬莉緒
え……?
音無小鳥
そういえば、プロデューサーさん、今日は莉緒さんのイベント以外予定が無かったような。
百瀬莉緒
……
秋月律子
莉緒さん。窓の外を見てください。花束が歩いて来ますよ。
百瀬莉緒
あのスーツって、プロデューサーくんよね。もしかして……
音無小鳥
もしかしなくてもですよ。花束だけじゃなくて、リボンを懸けた大きな箱も抱えてますよ。
秋月律子
……莉緒さん、走って出てっちゃいましたよ。メイクが崩れてるのに気づいてないまま。
百瀬莉緒
プロデューサーくん……もしかしてこれ、私のために?「今日中の仕事」っていうのは……
百瀬莉緒
……出来上がったドレスを見たら、花束も添えたくなったから、花屋に寄った分遅れたって?
百瀬莉緒
もう……そういうのはまとめて注文しとくものじゃない。プロデューサーくん、抜けてるんだから。
音無小鳥
ふふっ、どうやら私達は退散した方が良さそうですね。
秋月律子
事務所で待ってたら、こんな呑み屋さんでドレスを受け取らずに済んだのに……
音無小鳥
「もう少し頑張りましょう」な二人だから、それもお似合いかもしれませんね。
(台詞数: 41)