高坂海美
翼!翼、しっかりして。返事しなさいってば。
高坂海美
こら、何寝てんの。平和な世界を作って、ステキな男の人とデートするんでしょ。ほら起きて!
高坂海美
もうアイツは倒したんだよ。だから寝たふりなんか止めて。ねえ、ねえってば。
高坂海美
お願いだよ。あなたまでいなくなったら私、一人になっちゃう。
高坂海美
お願い…
高坂海美
……
三浦あずさ
探したわ~。こんな所まで移動してたのね、随分道に迷っちゃったわ。
高坂海美
ファースト!?良かった、無事だったんだね…
高坂海美
何そのカッコ。どうしてそんなへんてこりんな服着てるの?
三浦あずさ
ねえ海美ちゃん。デストルドーに負けた後に私、ずっと敗れた理由を考えてたでしょう?
高坂海美
え?う、うん。ねえファースト、そんな事より翼が…
三浦あずさ
ずっとずうっと考えてね。やっと今、その理由が分かったの。
高坂海美
今さらそんな事もういいよ。それよりさ、これから私達どうすればいいかを…
三浦あずさ
海美ちゃんが見てたって言う夢の世界。あれ、厳密に言うと夢じゃないのよ。
高坂海美
夢じゃない?じゃ、いったい何だったの。
三浦あずさ
夢というものはつまり、実際に起きてないという事よね?けど、あの世界はそうじゃなかったの。
高坂海美
実際に起きてない事じゃない?何それ、よくわかんないなあ。
三浦あずさ
ごめんなさい、回りくどいわよね。要するに…
三浦あずさ
デストルドーには世界を作るような力はないわ、あくまでも別次元を行き来出来るだけなの。
三浦あずさ
海美ちゃんが見ていたのは夢でも幻でもない。本当に存在する違う世界だったというわけ。
高坂海美
実在する別の世界?でも、だったらどうして私はその世界の中で普通に…
三浦あずさ
うーん、何て言ったらいいのかしら。つまりね、どこの世界にも海美ちゃんは存在するのよ。
三浦あずさ
海美ちゃんだけじゃない。私や莉緒ちゃん翼ちゃん、皆そうね。世界は違っても人は変わらない。
高坂海美
頭がこんがらがってきた…
三浦あずさ
そうねえ。例えばドラマで違う役を演じていても、演じる人自体は同じという感じかしら。
三浦あずさ
どこの世界にも、同じ本質を持った人間が必ず存在するのよ。海美ちゃんであれ誰であれね。
高坂海美
ふーん、分かったような分からないような。けど、それがいったいどうしたの。
三浦あずさ
世界が違うと、同じ本質の人間でも全然別の存在になるわ。私が悪の組織のボスだったりとか、
三浦あずさ
あるいは一般人で結婚してたりなんて世界もある。それが普通よ。
三浦あずさ
けどね?海美ちゃんだけは違う。どの世界でも、どんな存在であっても、あなたは常に戦ってるわ。
高坂海美
…知ってるよ、私も体験したんだから。そして、最後はいつも必ず。
三浦あずさ
負けてしまう…そうよね?
三浦あずさ
だからあなたは千年の夢に選ばれた。違う世界の敗北を、この世界での力に変える為に。でもね?
三浦あずさ
デストルドーに世界の中の役割を変えるような力はない。あくまでも行き来を管理出来るだけ。
三浦あずさ
これが何を意味するか…分かるかしら?
高坂海美
…私達はデストルドーに作られたんでしょう。だったら、最後は勝てないようにする事だって。
三浦あずさ
やあねえ、そんなのじゃないわ、あなたに力を与えたのはデストルドーじゃなくて私だもの。
三浦あずさ
強い正義の心を持ち、戦う事を義務づけられている。正義の味方ってそういうものね。だけど。
高坂海美
………やめて。
三浦あずさ
最後は必ず敗北してしまう。そういう宿命の元にある存在が、この世界にも生まれてしまった。
高坂海美
やめてよ!じゃあ、あの戦いに負けたのは。こんなふうになったのも、皆が死んだのも全部…
三浦あずさ
そう、あなたがいたから。どうやっても必ず敗北する。それが、高坂海美という存在の宿命だわ。
高坂海美
……信じないよ。私が見た世界が全部じゃないはずだ、どこかに必ずある、私が勝利する世界が。
高坂海美
いや。無いのなら今作ってやる、この世界で私が勝利してやればいいんだ!
三浦あずさ
あらあら、どこの世界の海美ちゃんも同じ事を言うのね~。だけど…
三浦あずさ
ごめんなさい海美ちゃん。あなたに力を与えたのは私だわ、でもね。
三浦あずさ
どうやらその私に力を与えた存在が、私の身体に影響し始めたみたい。あなたを止めなきゃってね。
高坂海美
そんな…やだよ、ファーストと戦うだなんて。そんな事したら、私は本当に一人ぼっちに…
三浦あずさ
弱気になっちゃダメよ、ついさっき戦うって言ったばかりじゃない。
三浦あずさ
運命を変えたいのなら、どんなに辛い事でも乗り越えてみせなさい。さあ、行くわよ?
(台詞数: 50)