田中琴葉
志保から話を聞いたそうね。もう、あの娘ったらお喋りなんだから。
高坂海美
…信じないよあんな事。誰が信じたりするもんですか。
田中琴葉
相変わらず強がるのが好きねぇ。まあそこが貴女らしくてカワイイけど。
田中琴葉
まあいいわ。貴女は変に思った事は無い?私達デストルドーが突然地球を襲った。
田中琴葉
するとそこにこちらも突然正義の味方が現れて地球を守る為に戦い始めた…
田中琴葉
あまりに都合の良い話だわ、出来すぎてる。そう思わない?
高坂海美
だったら何よ。ファーストがあんた達の手先だったとでも言うつもり?そんな事信じないからね。
田中琴葉
いいえ、ザ・ファーストも貴女も正真正銘正義の味方。地球の平和を守るために戦うヒロインよ。
高坂海美
まだるっこしい。さっさと言いなさいよ!
田中琴葉
デストルドーはいくつもの世界を行き来出るわ、貴女が夢の世界をいくつも体験したようにね。
田中琴葉
そしてどこにいても戦って相手を倒し、支配する。それがデストルドーの本能。
田中琴葉
それ以外の悦びはない…難儀な話よ。どうしてこんなやっかいな生き物に生まれたのかって思うわ。
高坂海美
をいけしゃあしゃあと。自分達がどれだけ罪深いか分かってる?あんた達に何人殺されたか…
田中琴葉
強い敵を探して戦う。それが種族としての本能だもの、仕方がないわ。
田中琴葉
だけどね。私達のお眼鏡にかなうような強い敵って、なかなかいないものなの。
田中琴葉
強敵が欲しい。強い相手と戦って勝利する快感を得たい。その為にいくつもの世界を渡り歩いたわ。
田中琴葉
でも、そんな相手にはなかなか出会えない…つまらなさと寂しさで気が狂いそうだったわ。
田中琴葉
そんな時よ、ふと気付いたの。見つからないなら、作ればいいんだって。
田中琴葉
そして見つけたのよ。そのために相応しいニンゲンの住む世界をね。
高坂海美
…それが、この世界だと?
田中琴葉
この世界のニンゲンはデストルドーに一番近い性質を持っていたからね。
田中琴葉
じっくり調べたわ、この世界のニンゲンの事。昔の貴女に会った事もある。
田中琴葉
そしてその中から相応しい存在を選び、私達のライバルになりうる力を与えた…。
田中琴葉
私が作った、大切なおもちゃだわ。それが、貴女達マイティーセーラーズよ。
高坂海美
何を、バカな…出鱈目を言わないで!
田中琴葉
出鱈目じゃないわ、本当よ。貴女の体験した千年の夢がその証拠だわ。
高坂海美
あんな物。あんた達の見せた幻覚か何かなんでしょう?
田中琴葉
まあそう思うわよね。信じたくない物は全て否定するのがニンゲンだもの、分かってるわ。
田中琴葉
そういう時は目に見える証拠を出すのが一番良いって事も、ね…さ、出てらっしゃい?
高坂海美
……ファースト!
田中琴葉
あらためて紹介するわ。この世界の私の最初の作品。マイティーセーラー・ザ・ファーストよ。
田中琴葉
この娘は本当によく働いてくれたわ。私達デストルドーと戦う組織まで作ってくれたんだもの。
田中琴葉
長い間ご苦労さま。あなたのおかげでこの戦いは楽しめたわよ?
三浦あずさ
違う、わ。私はマイティーセーラー。地球の平和を守る為に戦うヒーローズの隊長…
田中琴葉
その通り。そう思うように貴女の記憶を作って、その為に私の力を貴女に分け与えたの。
田中琴葉
でもね?ゲームはそろそろおしまい。もう充分楽しんだわ。だから…
田中琴葉
貴女の出番はもうおしまい。さよなら、正義の味方のリーダーさん!
三浦あずさ
私の、力が…消え!?……ああ!
高坂海美
ファースト!?しっかりしてよ、ねえ!
田中琴葉
大丈夫。この娘は元々ニンゲンだもの、力を取り上げても死なないわ…生きてもいないけどね?
高坂海美
貴様ぁぁぁっ!
田中琴葉
おっと、今はこの人形を回収しなきゃいけないの。あなたで遊ぶのはまた次の機会にね。
田中琴葉
千年の夢で強化されたあなたの力、楽しみだわ。この娘みたいに私をがっかりさせないでよ?
田中琴葉
楽しみにしてるわ…あ、それと。私が力を封じられるのは、直接作ったものだけなの。
田中琴葉
あなたに力を与えたのは私じゃなくてこの娘だから。安心していいわよ?それじゃね。
高坂海美
…
高坂海美
…私達が、遊び相手。この世界を支配する上で刺激を求める為だけに作られた、偽りの正義の味方。
高坂海美
こんなのって、こんなのって……
高坂海美
(続く)
(台詞数: 49)