三浦あずさ
ねえ千鶴ちゃん。ちょっと聞きたいんだけど。
二階堂千鶴
どうしましたの?
三浦あずさ
あのね、何かして欲しい事とかない?
二階堂千鶴
何ですの急に。
三浦あずさ
変な話なんだけど。私ここだと年長の方だから、皆の頼みを聞いたり相談に乗ったりしてるでしょ?
二階堂千鶴
そこはわたくしも似たような物ですわね。
三浦あずさ
ええ。だからたまにはお願いをする側になるのもいいでしょ。さ、何かない?
二階堂千鶴
ほんとに変な事言い出しますわね。急に言われましても別に何もありませんわ。
三浦あずさ
そうなの。じゃ、そうねえ…耳掃除とかしてあげよっか?
二階堂千鶴
あなた、そんな事してあげてますの!?
三浦あずさ
結構評判良いのよ。未来ちゃんとか亜利沙ちゃんとかからね。
二階堂千鶴
絶対耳掃除とは別の物が目的ですわね、その2人。わたくしは結構ですわ。
三浦あずさ
そう。じゃ…何か作ろっか?私、お料理は自信ある方だけど。
二階堂千鶴
あいにく今日はサンドイッチを持って来てますの。あなたの分もありますわ、どうぞ召し上がれ。
三浦あずさ
本当?いただくわ…うん、美味しい。あ、コロッケもあるのね。これも美味しいわ。
三浦あずさ
ご馳走様でした。千鶴ちゃんお料理上手よね…って、これじゃまるっきり逆じゃない、もう。
二階堂千鶴
バクバク食べておいて何言ってますのよ。
三浦あずさ
そうねえ…あ、そうだわ。春物の新作とか見に行かない?見立ててあげるわよ。
二階堂千鶴
非常に申し上げにくいのですがあなたのよく行くお店はちょっと。その、予算的な物が…
三浦あずさ
ご、ごめんなさい。まあ千鶴ちゃんもすぐそれくらい買えるようになるわよ、きっと。
三浦あずさ
うーん、うまくいかないわねえ。何かないかしら。
二階堂千鶴
無理しなくていいですわ、別に誕生日とかでもありませんし。そもそもどうして急にそんな事を?
三浦あずさ
え?いや。なんて言うか千鶴ちゃんといると私、あんまりお姉さんぽくないでしょう?
三浦あずさ
だから私もこれで結構頼りになるんだって所を見せておこうかな、なんて…ね。
二階堂千鶴
馬鹿馬鹿しい。あなたが年下の子達の前ではお姉さんだって事ぐらい、ちゃんと知ってますわよ。
三浦あずさ
千鶴ちゃんのお願いを聞いてみたいってのもあったのよ。普段あまりそういうの言わないでしょう?
二階堂千鶴
無理にそこまでお姉さんぶらなくてもいいでしょうに、まったく。そうですわね…
二階堂千鶴
では、これまで通りにお付き合いいただけますこと?
三浦あずさ
これまで通り?
二階堂千鶴
ええ。一緒にお茶飲んでお喋りしたり、こうやって事務所の留守番したり。
二階堂千鶴
お仕事に2人で出掛けて、迷子になったら探したり、レッスンのアドバイスをくれたり。
二階堂千鶴
そんな「同い年の友人」としてのお付き合いを、これからもずっと続けて欲しい。
二階堂千鶴
それがわたくしのお願いですわ。聞いてくださる?
三浦あずさ
…ええ、もちろんよ。こっちからお願いしたいくらいだわ。
二階堂千鶴
あら、今日はあなたがわたくしのお願いを聞いてくれるのではなかったんですの?
三浦あずさ
ふふ。そうだったわね、ごめんなさい。たしかに引き受けたわ、任せておいてね。
音無小鳥
戻りました。すみません二人とも、事務所の留守番なんてさせてしまって。
三浦あずさ
お疲れ様です。
音無小鳥
お礼と言っては何ですがケーキ買ってきましたから。お茶にしませんか?
二階堂千鶴
良いですわね。それじゃあずさ、ティーを入れて来て下さいます?
三浦あずさ
ええ。それじゃ、ちょっと待っててね。
音無小鳥
あれ、珍しい。千鶴さんがそんな風にあずささんに頼み事するの、初めて見たかもですよ。
二階堂千鶴
あら、そうでした?まあたまにはいいじゃありませんの、同い年の友人なんですもの。
三浦あずさ
それに今日は私が言う事聞いてあげる決まりですから。
音無小鳥
決まり?何ですか、それ?
三浦あずさ
内緒ですよ。女の子同士の秘密の約束です。ね、千鶴ちゃん?
二階堂千鶴
大袈裟ですこと。でもまあ、女の子ならそういう秘密の約束をするものかもですわね?
音無小鳥
ちょっと!ならまだ私も女の子ですよ。いいでしょ、教えて下さいよ。ねえってば!
(台詞数: 48)