三浦あずさ
いいですよ、もう大丈夫ですから、目を開けてください
エミリー
...そう促されるままに目を開けると
エミリー
...そう促されるままに目を開けると、そこはキャンプ場の前でした
伊吹翼
よかった~(泣)、わたし達、ちゃんと帰って来れたんだ~!!
伊吹翼
可奈「うんうん、本当に帰れないんじゃないかって思ってたよ~(泣)」
エミリー
杏奈「奇跡の生還・・・これも、あずさ先生のお陰だね!」
エミリー
...底なしの恐怖から解放された事と、キャンプ場に帰って来れた事も相まって
エミリー
...私たちは嬉しさのあまり、気付けば抱擁しあっていました
エミリー
...ただ、"あずさ先生"だけは、一歩引いて、その様子を眺めているようでした
伊吹翼
あずさ先生だから心配だったけど・・・
伊吹翼
でも、本当はできる人だって、わたし、信じてたよ~!!
エミリー
杏奈「本当にありがとう、あずさ先生」
三浦あずさ
・・・
エミリー
...始めのうちは、暗闇のせいであずさ先生の表情はよくわからなかったですけど
エミリー
...徐々にその暗闇にも視界が慣れてきたのか、あずさ先生の表情が露わになります
エミリー
あずさ先生・・・?
エミリー
...あずさ先生は泣いていました、生徒の前だということも気にせずに・・・
エミリー
...不器用な笑みを浮かべながら、泣いているのです
三浦あずさ
お礼を言わなくてはいけないのは、私のほうです
三浦あずさ
私が帰って来れたのは皆さんのお陰です、本当にありがとうございました
エミリー
そんな、先生が頭を下げることなど、私達は一つも・・・
三浦あずさ
いいえ、私を信じて、最後まで手を握ってくれました
三浦あずさ
怖い思いをさせてしまったのに、ずっと手を握ってくれました
三浦あずさ
そのお陰で、こうしてここまで無事帰ってくることができたんですから
三浦あずさ
本当にありがとうございます
三浦あずさ
そして、さようなら
三浦あずさ
...ビューーーーーーーーーーー
エミリー
...風が駆け抜けると、まるで憑いていた何かが攫われたように、脱力して
エミリー
...あずさ先生はぐったりとその場に倒れ込みました
伊吹翼
可奈「先生っ!!」
エミリー
...可奈さんが慌てて、先生のもとへと寄っていきます
エミリー
...私と翼さん、杏奈さんの三人はその様子を見守っていました
三浦あずさ
スヤァ・・・ムニャムニャ
伊吹翼
可奈「先生、寝てるんだけど・・・」
伊吹翼
もー、心配を返してよ!上がった株もだだ下がりだよ!大恐慌だよ!!!ウォール街の悪夢だよ!!
エミリー
杏奈「まぁまぁ・・・翼、落ち着いて・・・それに、皆が無事で良かった・・・」
伊吹翼
可奈「うん!ねぇ、皆も心配してるだろうし、早く行ってあげないと(汗)」
エミリー
そうですね、帰りましょう、私達のいるべき場所へ
エミリー
杏奈「でも、先生はどうする?杏奈達じゃ絶対に運べないと思うけど・・・」
伊吹翼
えっ、このまま、放置しておけばいいんじゃないの~?
エミリー
杏奈「流石にそれは・・・」
エミリー
では私がここに残るので、皆さんは他の先生を連れてきてください!
伊吹翼
可奈「うん!じゃあお言葉に甘えて、ここは任せるね!」
エミリー
えっへん♪お任せください!
エミリー
...私は段々と小さくなる三人の背中を見送りました
エミリー
...そして、見送った後、私達がさっきまでいたであろう樹の海の方を見ました
エミリー
...もうそこにはいないかもしれないけれど・・・
エミリー
...目を瞑って
エミリー
...感謝の気持ちを込めて
エミリー
...合掌
(台詞数: 50)