天海春香
今日は千早ちゃんの、ファンミーティングの日だね。楽しみすぎて、昨日あんまり眠れなかったり。
ジュリア
始まるずっと前から、サインライトを点けとくのはどうかと思うぞ。カバンにしまっておけよな。
天海春香
ああそうだね。せっかく来てくれたファンのみんなの、迷惑になっちゃうよね。
ジュリア
ところでハル、気にならねえか、今日のチハのフライヤー。
天海春香
チラシのこと?そう言えば、『ひきがたりを初披露します』って書いてあるね。楽しみだなあ。
ジュリア
あたし、チハがギターやピアノを演奏してる姿を見たことがないんだが……ハルはどうだ?
天海春香
……無いなあ。レッスンでも遊びに行った時も、歌は歌うけど弾いてるのは記憶に無い。
天海春香
千早ちゃんは照れ屋さんだし、皆んなをビックリさせたいから、人知れず練習してたんだよ。
ジュリア
そうかな……チハは音楽に真摯だぜ。なら、公演前に聴かせてアドバイスもらうんじゃないか?
天海春香
じゃあ多分、楽器の先生とマンツーマンでレッスンしてたんだよ。
ジュリア
そういうことにしておくか。お、はじまるぜ。
ジュリア
チハ、お前の演奏とソウル、見させてもらうぜ!
如月千早
皆さんこんばんは。今日はこのようにお集まりいただき、有難うございます……
天海春香
相変わらず、千早ちゃんのトークは固いなあ……
ジュリア
ステージにピアノもシンセも、ドラムセットも無いな……やっぱりギターか。
如月千早
……私が歌を届けられるのは、ファンの皆さん、そして支えてくれる事務所の仲間のおかげです。
如月千早
高槻さんは、体は小さいですが、元気と責任感は溢れ出すくらい一杯です。
如月千早
いつも元気を分けてもらってるので、お礼のつもりで、この前耳掃除をしてあげました。
如月千早
高槻さんは、妹さんや弟さんが多いので、普段は母親に甘えられないそうで……嬉しそうでした。
如月千早
知ってますか皆さん。高槻さんの髪の毛って、天使の羽根みたいにフワフワなんです。
如月千早
それが、私の太ももに当たって……至福のひと時でした。感触は、今もしっかり覚えています。
如月千早
あ、使用済の綿棒は、そのまま捨てましたよ。持ち帰ったら、一線越えちゃうじゃないですか。
如月千早
それより高槻さんが、「あっ……千早さんくすぐったいですぅ。」って身をよじらせたのが嬉しくて
天海春香
千早ちゃん……
如月千早
そうそう、私たちの事務所には中谷さんもいます。早く大人なりたいっていつも言ってるので……
如月千早
普段は化粧しない私ですが、今日のために買っていた口紅を、中谷さんに塗ってあげたんです。
如月千早
「千早お姉ちゃんに、大人にしてもらえた」って。その言葉を聞いた瞬間、報われた気がしました。
如月千早
中谷さんの唇を奪って。今日は同じ口紅を塗ってきました!
ジュリア
チハ……
如月千早
それでは次の曲。恋の終わりの歌ですが……私にはそんな経験は無く、曲想が掴めませんでした。
如月千早
周防さんに話して、「恋に破れた少女」の演技を観せてもらいました。
如月千早
いつも愛らしい周防さんが、悲しみに身を震わせている……思わず、周防さんを抱きしめました。
如月千早
不意なことで、いつも張り詰めている周防さんが脱力して。小さくて柔らかな体の温もりが伝わって
如月千早
ああ、これが恋の暖かさ。これを失うのが失恋。というかこのまま手放したくない、と思いました。
如月千早
周防さんの口から、何かトゲのある音が発せられた気もしましたが……たぶん、気のせいです。
ジュリア
いや、嫌がってるの分かってて抱きしめ続けたんだろ。現実に目を向けろよ。
天海春香
ジュリアちゃん、これって……酷いね。
ジュリア
ああ、「引き」語りだな。ファンも、どう反応したらわからない顔をしてるぜ。
天海春香
なんで千早ちゃん、私のことを話してくれないんだろ……さみしいな。
ジュリア
そっちかよ!
(台詞数: 40)