出会い、アトリエにて
BGM
STEREOPHONIC ISOTONIC
脚本家
ペイター@Blue Sympho人
投稿日時
2017-04-27 00:19:57

脚本家コメント
(過去作)妄想から生まれたifのお話です。前作からだいぶ調子にのってますが勢いが生きてるうちに…!

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ロコ
天気が良い日の公園。
ロコ
ここがロコのアトリエになってからどれだけの時間が経ったのだろう。
ロコ
ロコは今日もここで作る。ロコにとって最高のアート、そして…
ロコ
場所を取るだけのガラクタを。
ロコ
どうしてそう思うのか。皆がそう言うからに他ならない。
ロコ
ロコにとってどれだけ傑作だとしても、それを「作品」として見てくれる人なんていなくなった。
ロコ
家で作っていれば作っている途中でも捨てられてしまう。だからこうして…
ロコ
捨てる人がいないところをアトリエにして、アートを完成させるようにした。
ロコ
持ち帰っても完成してるなら捨てられても悔いはない。
ロコ
悔いを残さないようにここで全力で作る。芸術家として学んだ事だ。
ロコ
…それでも人の目が気になってしまう。だからこその相棒も今はいる。
ロコ
ここにいる間は芸術家でいられる。それが何よりの幸せ…
ロコ
あらゆるものから逃げた結果手に入れた、仮初めの幸せ。
ロコ
これが長く続くはずはない。それでも、少しでも芸術家でいられるなら…
ロコ
すがるような思いで今日もこのアトリエに来た。
ロコ
でも、最近は同じ絵ばかり描いている。タイトルは「夢の世界」。
ロコ
街中がロコのアートで飾られた、そんな夢のまた夢のような世界を描いている。
ロコ
…芸術家としてもう長くない証拠だ。芸術ではなく夢ばかり描いてしまっているのだから。
天海春香
〜♪
ロコ
今日も彼女は来た。ここをアトリエに選んだもう1つの要因だ。
ロコ
通り過ぎるだけではあるが、今をときめくアイドルを生で見ることができる。
ロコ
アイドルに興味があるわけではない。でもなんだか得した気分になれる。
ロコ
…でも、本当は違う。きっとただ羨ましかったのだろう。
ロコ
「夢を現実のものにした」彼女そのものが…
ロコ
…ロコとは生きる世界が違う。先のないものにすがるだけのロコとは…
ロコ
….そう思っていたある日の事だった。
ロコ
それは、今日のガラクタを持って帰ろうと相棒をはずした瞬間だった。
天海春香
「…ねえ。どうしていつもここで絵を描いてるの?」
ロコ
「…もしかして、ロコにスピークしてるのですか?」
天海春香
「いつも絵を描いてるのって、あなたしかいないよ?」
天海春香
「お話してみたいなって思ってたんだけどいつもそれ付けてるから話しかけづらくて…」
ロコ
「は、はあ…」
ロコ
…すごく驚いた。でもきっとこの人も…適当にあしらってすぐに帰ろうと思った。
天海春香
「どうしていつも同じ絵を描いてるのかなって気になっちゃって…」
ロコ
「これはロコにとってのマスターピースです!誰も知らないロコナイズアートのトップなんです!」
天海春香
「誰も知らない、ってどういう…」
ロコ
「じゃあロコはこれで!集中してたらベリーハングリーなのです!ロコも影ながら…」
天海春香
「…待って!」
ロコ
「!?…ど、どうしたのです?」
天海春香
「それって、ロコちゃんが思い描く夢の世界…なのかな…」
ロコ
「…えっ?どうしてそう思ったのですか…?」
天海春香
「正直、私は芸術とかって詳しいわけじゃないの。でも、これだけはわかる。」
天海春香
「その絵には夢を叶えたいって気持ちが込められてる。だから何回も描いてるんだって。だから…」
ロコ
「…良かったです。ロコがアーティストでいる間にロコの気持ちをわかってくれる人に出会えて。」
ロコ
「…おかげでもうここに来なくて済みそうです。本当に…」
天海春香
「ねえロコちゃん…私たちと一緒に、夢を叶えようって思わない?」
ロコ
…正直何を言ってるのかよくわからなかった。でも…
ロコ
…でもこの一言から[アーティスト]ロコの夢は始まった。

(台詞数: 48)