天海春香
『アシビの茂みの奥から現れたのは、』
天海春香
(低音ボイスで)はるかっかぁ~!
天海春香
『ぬぅっと大きな顔が覗いて来ました。』
大神環
うひゃぁ!でっかいでっかい でかでかイノシシだぞ!
天海春香
『環は驚いて叫びましたが、うりっこ坊をしっかりと抱きかかえています。』
大神環
環、今は坊やの母さんだ。
大神環
もし坊やにひどい事するなら、許さないぞ!
天海春香
『環は坊やを守ろうと思った、その時です。』
天海春香
かっか!かっか!
天海春香
『環の横で、うりっこ坊やが鼻をならすのが聞こえました。』
天海春香
『するとどうでしょう。でかでかイノシシも、』
天海春香
はぁるかっかぁ~、はぁるかっかぁ~
天海春香
『坊やに応えて、優しく鼻を鳴らしたではありませんか。』
天海春香
【坊や】かっかー!
天海春香
【イノシシ】はぁるかっかぁ~
天海春香
『それから2匹は、鼻と鼻をぴったりくっつけて、鳴き合いました。』
大神環
そっか、あんたはうりっこ坊やの本物の母さんなんだね。
天海春香
『環がにっこりと笑って頷きます。』
天海春香
『泥まみれのうりっこ坊やは、しめった鼻を環のほっぺたに ちゅっとおしつけて、』
天海春香
『さよならの挨拶をします。』
大神環
お別れだな。一緒に遊べて楽しかったぞ!
大神環
さっ、本物の母さんのところにお行き。
天海春香
『うりっこ坊やは、お母さんイノシシと一緒に北の谷へと帰っていきました。』
天海春香
『環は2匹の姿が見えなくなるまで、ずっと手をふっていました。』
大神環
…………
天海春香
『2匹の姿が見えなくなると環は、』
天海春香
『急に律子母さんに会いたくなりました。』
大神環
『その伍に続く!』
(台詞数: 28)