天海春香
『うりっこ坊やの母さんの代わりになると決めた環ですが、』
大神環
坊やの母さんになるって言ったけど、まずなにをすればいいんだ?
天海春香
『困った環は、うりっこ坊やの悲しい顔を見て、あることを思い出します。』
大神環
(そうだ!りつこ母さんが、たまきが悲しい顔をしている時は、)
大神環
(お腹をすかせている合図だって言ってた。だから坊やもお腹をすいているはずだ!)
大神環
待ってろ!母さんがごはんをつくってあげるからね!
天海春香
『そう思い、環はうりっこ坊やのためにご飯をつくり始めました。』
天海春香
『シロツメグサをどっさりちぎった木の根っこをたっぷり、』
天海春香
『そこにムラサキキャベツとハルシオンの花を混ぜれば、"特製うりっこサラダ"の出来上がり。』
大神環
さぁ、めしあがれ!
天海春香
かっかーっ!
天海春香
『うりっこ坊やはサラダの山に頭を突っ込むと、もしゃもしゃと食べはじめました。』
大神環
どうだ?美味いか?
大神環
いい食べっぷりだな!見ている母さんも食べたくなってきたぞ!
天海春香
『環のお腹がグゥグゥなります。』
大神環
………
大神環
(だめだぞ!りつこ母さんはお腹すいてても、たまきのご飯は食べなかった!)
大神環
(だから、たまきも坊やのご飯は食べないぞ!)
大神環
はぁ……、母さんってお腹が減るなぁ。
天海春香
『と、環は思いました。』
天海春香
『ご飯を食べ終わったうりっこ坊やは、もうおねむです。』
大神環
眠たいのか?母さんが子守唄をうたってあげるね。
天海春香
『環はうりっこ坊やをおんぶして、ゆらりゆらりとゆすりながら歌い始めました。』
大神環
北のお山のお祭りは♪
大神環
赤のちょうちん笛たいこ♪
大神環
寝た子にゃお月さんこうてやろ♪
大神環
寝ぬ子はフクロウとってかしょ♪
天海春香
Zzzzz……
天海春香
Zzzzz……『うりっこ坊やは、クゥクゥ夢の中。』
天海春香
『環も、大きなあくびひとつ 夢の前。』
大神環
ふぁあ～……、母さんって眠たいな。
天海春香
『と、環は思いました。』
天海春香
『そこで環とうりっこ坊やは、シロツメグサの絨毯の上に丸まってお昼寝をしました。』
天海春香
『環の寝息は、』
大神環
スゥ スゥ スゥ
天海春香
『坊やの寝息は、』
天海春香
はる かっ かっ
天海春香
『草の波を揺らして、優しい風が吹き抜けます。』
大神環
…………
大神環
…………う～ん、よく寝た。
天海春香
『しばらくして、環が目を覚ましました。』
天海春香
『しばらくして、環が目を覚ましました。おや?うりっこ坊やの姿が見えません。』
大神環
『その参に続く!』
(台詞数: 43)