横山奈緒
おらぁ!小娘が!さっきからピーピーピーピー泣いとんやないぞぉ!?
双海亜美
泣いてるだけじゃ何も変わらないでがんすごんす!
木下ひなた
お前たち、よしな
双海亜美
親分!がんすごんす!
木下ひなた
こっちの要求が通るまでは、その子はお客様だ。丁重に扱いな
横山奈緒
へい、親分
木下ひなた
さてと、そろそろ始めるかね
双海亜美
親分!電話が繋がりましてがんすごんす!
木下ひなた
もしもし?今忙しいのかい?じゃあそれでもいいよぉ。一度しか言わないからよく聞きな
木下ひなた
お宅の娘は、あたしらが預かった。返して欲しかったら、こっちの要求を飲むんだね
木下ひなた
何?娘の声が聞きたい?しょうがないねぇ。ほら
双海亜美
女の子「うう・・・、もしもし?ママ?」
双海亜美
女の子「ママ、今日はお仕事、何時に終わるの?」
双海亜美
女の子「今日、ママのお誕生日でしょ?」
双海亜美
女の子「わたしね、しゅくだいもやって、おせんたくものも畳んだよ」
双海亜美
女の子「ごはんは作れないけど、いっしょうけんめいおうちのことやったよ」
双海亜美
女の子「ホントはいつもさみしいけど、がまんしてたの」
双海亜美
女の子「ママ・・・、帰ってきてよ。いっしょに、ケーキ食べたいよ・・・」
木下ひなた
おおっと、そこまでだ
木下ひなた
もうじゅうぶん娘の声は聞いたろう?
木下ひなた
娘さんの笑った顔がもう一度見たいなら、どうすればいいか分かってるだろうね?
木下ひなた
それでいいのさ。いいかい?くれぐれも余計なことは考えるんじゃいよ
木下ひなた
仕事の電話はすべて無視しな。まっすぐ家に帰ってくるんだ
木下ひなた
さもないと・・・、後悔することになるよ・・・。ほいじゃあね
横山奈緒
親分!天海組が動いてくれました!特製のケーキをすぐに届けてくれるそうですわ!
木下ひなた
流石春香の姐さんだねぇ。でかい借りが出来ちまったよぉ
双海亜美
料理の準備も順調でがんすごんす!
木下ひなた
あいよ。さて、後は・・・
双海亜美
女の子「うう、・・・グスン。ママ、ママァ・・・」
木下ひなた
もう泣くのはよしな、お嬢ちゃん
木下ひなた
あたしらにはママのお誕生日パーティーの準備しか手伝えないよぉ
木下ひなた
お嬢ちゃんが笑って「おかえり」って言ってあげないと。パーティーにならないべさ
横山奈緒
『果たして、ヤクザに囚われた幼い少女に笑顔は戻るのか・・・?』
木下ひなた
～おしまい～
(台詞数: 34)