天海春香
私、天海春香は悩んでいた
天海春香
「はぁ……」
天海春香
プロデューサーさんから伝えられた次のお仕事
天海春香
それは、MANZAIグランプリの出場
天海春香
「漫才かぁー……」
天海春香
いわゆるアイドル枠
天海春香
見る人が期待しているのは、他のお笑い芸人さんとは違うもの
天海春香
それは、分かっている……でも
天海春香
『春香が面白いと思うことを、自由にやればいいから』
天海春香
プロデューサーさんは、苦々しく笑いながら、そう言ってくれた
天海春香
きっと、プロデューサーさんも悩みながらこの仕事を貰ってきてくれたのだと思う
天海春香
出場がどうしてもイヤ、というわけでもない
天海春香
ただ、
天海春香
本気で「お笑い」で仕事をしている人たちの中で闘うと思うと
天海春香
中途半端なことはしたくない……
天海春香
「どうしよう……相方も決めなくちゃ……面白いことも考えなくちゃ……」
天海春香
とりあえず本屋で買ってきた『ウケる技術』という本を読んでみる
天海春香
「裏切り……俯瞰……深読み……。んー、よく分からない……。はぁ。」
如月千早
「春香?さっきから、難しい顔をして、ため息ついて……大丈夫?」
天海春香
「ははは、見られちゃってたね。うん、……大丈夫。ありがとう千早ちゃん。」
如月千早
「……MANZAIグランプリのお仕事のことね?」
天海春香
「……うん。」
如月千早
「私も、お笑いとかはよく分からないのだけれど……相談に乗るわよ」
天海春香
「千早ちゃん……」
如月千早
「……横山さんとか、野々原に話を聞いてみてはどうかしら……」
如月千早
「そういう番組にも呼ばれてるみたいだし」
天海春香
「……二人とも、今は忙しいみたいで」
如月千早
「そう…だから、こんな本まで買って」
如月千早
「……下ネタ……ノリッコミ……天然……?」
如月千早
「天然……って何かしら?魚釣りでもするのかしら?」
天海春香
(あぁ、千早ちゃんって、結構天然かも)
如月千早
「あ、ノリツッコミていうのものあるから……海苔の養殖が関係するのかしら?」
天海春香
(私も時々、天然って言われる方だけど、千早ちゃんのは極度だなー)
如月千早
「……この、ギャップ?裏切りっていうのは何かしら?」
天海春香
「聞いてる人の予想を裏切ったり、普段のイメージと真逆のことをしたり……かな?」
如月千早
「???……難しそうね。」
天海春香
「例えば、千早ちゃんが急に育ちゃんを追いかけ回したり?」
如月千早
「ん?どうして中谷さんが出て来るの?」
天海春香
「……いいの、忘れて。」
如月千早
「そう…。でも、春香。春香がアイドルをやってる理由って何かしら?」
天海春香
「大好きなみんなと、大好きな歌を歌って、見ている人達を元気にしたい……からだよ。」
如月千早
「今回の春香のお仕事。形は違うかもしれないけれど、
如月千早
見てる人を元気に、そして笑顔にするってことは同じだと思うの
如月千早
私も……歌のお仕事以外は無意味だと思っていた時期もあったわ。
如月千早
でもそうじゃなかった。それを教えてくれたのは、春香、あなたよ。
如月千早
今回のグランプリ出場。春香の原点に気が付ける、そんなお仕事になるんじゃないかしら。」
天海春香
「……千早ちゃん。
天海春香
そうだね。笑顔を届けるステージ。それは、変わらないのかもね!
天海春香
大事なことに気がつかせてくれてありがとう!!千早ちゃん!一緒に頑張ろうね!!
如月千早
(…………あれ?……一緒に???)
(台詞数: 50)