二階堂千鶴
今日のCM撮影も、高貴な私の活躍で完璧でしたわ。オ～ホッホッホッホ……ゴホゴホ。
双海亜美
千鶴お姉ちゃん、さすが「お決まり」を外さないね～。ホンマ、スベらんわ～。
二階堂千鶴
おだまりなさい。ちょっと疲れて舌がもつれただけですわよ。
双海亜美
舌がもつれると、咳き込むの?
二階堂千鶴
言葉の綾ですわよ。子供は子供らしく、大らかにいた方がよくってよ。
二階堂千鶴
それにしても今日の撮影は、非常に充実していましたわね。
双海亜美
そだね～。お菓子のCMなんて、ガツガツ食べられてボーナスステージみたいだよ。
二階堂千鶴
まさかと思いますが、亜美。わざとNG出して、より多く食べようとしなかったでしょうね
双海亜美
うん。ちょっとそれも考えた。
双海亜美
でも兄ちゃんが、想像以上に怖い顔でこっち見てたから、やめといたよ。
二階堂千鶴
プロデューサーも、そんな考えはお見通しですわよ。
二階堂千鶴
今日のところは、お土産にこれだけお菓子を頂いたのですから、それで良しとしなさいな。
双海亜美
事務所の分は別に送ってくれるから、これは真美と二人占めだ!んっふっふ～。
双海亜美
でもオシムラブは、楽屋に置いてあった分までは持って帰れないことだね。
二階堂千鶴
それを言うなら「惜しむらく」ですわ。元日本代表監督に愛を語ってどうするんですか。
二階堂千鶴
プロデューサーも含めて、大きなカバンは持ってきませんでしたし。タクシー移動でしたし。
二階堂千鶴
流石に、これだけお土産頂いておいて、さらに紙袋を要求するのは、さもしいですわ。
双海亜美
あれあれ?千鶴お姉ちゃんは、こんなお菓子なんていくらでも買えるんじゃないの?
二階堂千鶴
そ、それは……セレブなワタクシには、こういう庶民の味がむしろ嬉しいというか……
北沢志保
あの、すみません。
双海亜美
あ、しほりん。今まで気配消してたの?気づかなかったよ。
北沢志保
そういうわけではないですが……このお菓子、二人とも要らないなら、全部もらっていいですか?
二階堂千鶴
唐突ですわね。あまりこういうものには執着が無さそうなイメージでしたのに。
北沢志保
……弟が、これ好きなんです。持って帰ると喜ぶので。
双海亜美
別にいいけどさあ。しほりんも、小さいカバンしか持ってないっしょ。どうすんの?
北沢志保
(ゴソゴソ……)
双海亜美
ネコさんを、どうすんの?
北沢志保
(ジ……ジジジ……)
双海亜美
ネ、ネコさんの背中が引き裂かれて……
双海亜美
ネ、ネコさんの背中が引き裂かれて……中から黒い翼がッ!
二階堂千鶴
お、落ち着きなさい亜美。あれはまさか……
二階堂千鶴
お、落ち着きなさい亜美。あれはまさか……エコバックですわよ。
北沢志保
これなら、ここにある分は持って帰れます。
双海亜美
……しほりんって、いつも腰にエコバック持ってんの?
北沢志保
いえ、それはこっちの子です。このエコバッグの子は、いつもはカバンの中です。
二階堂千鶴
……よほどその猫が好きなのですね。
北沢志保
プロデューサーには、秘密にしてください。こんな事、知られたくないので。
二階堂千鶴
……帰ってしまいましたか。子供は子供らしく、もっと素直でもいいのに。
双海亜美
案外あのお菓子も、しほりんが大好きだったりね。
(台詞数: 39)