ジュリア
「もしもし、アタシだよ。さっきは電話に出られなかったからな。」
ジュリア
「……あのさ。アタシも芸能人の端くれだからさ。いつでも電話に出られるわけじゃないって。」
ジュリア
「……マスコミやら仕事仲間やらと一緒の時は話せねえよ。」
ジュリア
「アタシ、本名も出身も伏せて活動してるし。察してくれよ。」
ジュリア
「……同窓会?そりゃ、欠席するよ。マスコミとかに探られるのも嫌だしさ。」
ジュリア
「……そりゃ、ダチとも会いたいけどさ。過去を振り切って出て来たんだぜ。」
ジュリア
「それも、ロックで生きていくって言ってたのに、今はアイドルなんて……」
ジュリア
「だから、アタシのことを『ぷぅちゃん』って呼ぶな!不貞腐れてねえし。」
ジュリア
「……わかったよ。今度事務所に、休みをくれって言うよ。出席で返事しといてくれよ。」
ジュリア
「……じゃあな。電話にゃ出にくいから、メールにしてくれよな。」
ジュリア
……
双海真美
……
双海真美
……という具合にですな、ある日電話で話してたんだよ、ぷぅちゃん。
双海真美
多分アレは、母ちゃんか婆ちゃんと話してたんだと思うよ~。なんだかんだで和んでたし。
松田亜利沙
フムフム。ぷぅちゃんの呼び方は、家族がそう呼んでるから、ですか……
松田亜利沙
子供の頃は、ちょっとした事で膨れっ面してたんでしょうね。ジュリアちゃんの過去も知れるとは。
松田亜利沙
ムフフ~。ありさのアイドルデータベースが、またひとつ充実しますよ。
ジュリア
おい、マミ。さっきから何アタシの声真似してんだ!?
双海真美
ぷ、ぷぅちゃん。いつからそこに?
ジュリア
お前が、同窓会がどうこう言ってるくだりからだよ!
ジュリア
アタシがいつ、そんな話をしてたんだよ!テキトーなホラ話を広めてんじゃねえ!
双海真美
うわうわ~、これはパタリロ悪くなってきた。Bダッシュだよ。
ジュリア
……逃げ足速いな、マミ。というわけで、今のは完全な出まかせだ。記録しなくていいぞ。
松田亜利沙
あちゃー。真美ちゃんに、ファミレスデザートをタダで食べさせただけになりました。
松田亜利沙
ジュリアさんの本名と、『ぷぅちゃん』とが結びつかないんで、聞き出してみたんですが……
ジュリア
……ちょっと待て。アリサ、お前アタシの本名知ってるのかよ!?
松田亜利沙
はい。すでに、本名も通ってた中学校も把握済みですよ。卒アルも観たことありますし。
松田亜利沙
でも安心してください。ありさの脳内データベースと、スタンドアローンのパソにしか残しません!
松田亜利沙
アイドルちゃんマニアの名誉に掛けて、情報セキュリティは保ちますよ!
ジュリア
……すでにお前に漏洩してるんだよ!
(台詞数: 30)