ニムロデ 『SPH』
BGM
Rebellion
脚本家
親衛隊
投稿日時
2016-05-25 02:25:08

脚本家コメント
第7話。本作は『黒騎士の衛星』と同シリーズです。時間軸は黒騎士より前の話となります。
自己満足ドラマシリーズ、不定期更新です。
サブタイトルの英字は差別化を図る為であり、あまり意味はありません……が、ないわけでもありません。
前作 『D_MET』
http://imas.greeーapps.net/app/index.php/short_story/info/uid/1300000000000031424/seq/452

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横山奈緒
テストは各組ツーマンセルで、それぞれ部屋と監督官が割り当てられるらしい。
横山奈緒
組は勝手に決めろとのことなので、私は手っ取り早く瑞希を確保。他人となんてまっぴら御免だ。
横山奈緒
「なあ……これ、どんな試験方式や言うてたっけ?」
真壁瑞希
「普通のペーパーテストですよ。お疲れですか? 先程も同じ質問をしましたね」
横山奈緒
「なら、あれ何や?」
横山奈緒
椅子の横に置いてある箱を指さす。
真壁瑞希
「脳波計ですね」
横山奈緒
「何でペーパーテストに脳波が要るねん!」
真壁瑞希
「講義、随分と序盤から聞いていなかったのですね」
真壁瑞希
「……ふむ。簡単に教えるのもつまらないでしょう」
真壁瑞希
「というわけで、ここでクイズですパンパカパーン」
横山奈緒
「いや別にそういうのええんやけど……」
真壁瑞希
「マイペースサイバーテクニシャンといえば私、真壁瑞希ですが」
横山奈緒
「ですが?」
真壁瑞希
「塔の稼動にあたって、最も必要なものとは何でしょう?」
横山奈緒
「頭の回転が速い人材?」
真壁瑞希
「簡潔明瞭なお答えですね。では参りましょう」
横山奈緒
「いやいやいやいや」
真壁瑞希
「どうしました?」
横山奈緒
「前フリまったくいらんかったやん……じゃなくて、あれや!」
横山奈緒
「あれでビビッと毒電波とか出して洗脳! とかありえるかもしれんやろ?」
真壁瑞希
「ビビッと毒電波を浴びても正常に動作する強靭な脳があれば可能ですね。試しますか?」
横山奈緒
「……遠慮しとく」
我那覇響
「早くしろ」
横山奈緒
監督官から苛付いた声が掛かる。よりにもよってな御方だ。
真壁瑞希
「さ、早く席に着きましょう。ワクワク」
横山奈緒
「やる気満々やな」
真壁瑞希
「はい、いつになく高揚しています。横山さんと久しぶりの一騎打ちですからね」
横山奈緒
「一騎打ちて……」
真壁瑞希
「学生時代を思い出しますね」
横山奈緒
「……せやな」
横山奈緒
その後、鉄の箱から伸びる無数のコードが取り付けられたキャップをかぶせられた。
横山奈緒
「しっかし、試験一つに脳波なんざ大袈裟なこっちゃな。健康診断なら間に合うとるで」
真壁瑞希
「百合子さん曰く、この装置は異常を見つける目的ではなく──」
真壁瑞希
「BMI操作の適正を判断する為だそうです」
横山奈緒
「肥満か? そや、知り合いに脂肪が好きっちゅー変わったフェティシズム持ちがおってな」
真壁瑞希
「……」
横山奈緒
「冗談やて。黙らんといて」
横山奈緒
「……脳活動で操作する機械やろ。最先端技術の『塔』やからな。そら、なんとなくは読める」
横山奈緒
「せやけど、やけにきな臭いのは何でですかね?」
我那覇響
「……」
横山奈緒
だんまりか。元々喋らなそうな人だから、これが普通なのかもしれない。
我那覇響
「準備は出来たか。では、試験を開始する」
我那覇響
「試験時間は今日中。必ず全問答えるように」
我那覇響
「始め」
横山奈緒
今日中? そんなに量があるのか、面倒くさい。
横山奈緒
最初はそう思った。本当に最初だけ。
横山奈緒
──七、八百程の問題を解いた辺りだろうか。
横山奈緒
"解きながら"眠りに落ちた。
横山奈緒
目は開けたまま、答えを書く手だけが無意識に動いていた。

(台詞数: 50)