「家族」に会おうよ。
BGM
smiley days
脚本家
イッパイアッテサ
投稿日時
2015-10-10 10:48:25

脚本家コメント
連続長編を終えたので、私としての通常運転の、「普通の」単発ドラマ掲載に戻します。
響の誕生日に添えて。
環や育、ひなたと会話する響はイメージできるけど、この組み合わせはちょっと思いつかなかったので。挑戦してみましたが、如何でしょうか。

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周防桃子
「響さん。今度、響さんの『家族』に合わせてくれない?」
我那覇響
(……そんな風に桃子が唐突に話しかけてきたのは、たしか前の冬だったぞ。)
我那覇響
「家族って言っても、飛行機の準備とかあるからなあ……泊まる部屋は沢山あるけど。」
周防桃子
「じゃなくて、響さんの家にペットのこと。桃子が響さんの親御さんに挨拶するわけないでしょ!」
我那覇響
「なんだ、桃子も動物が好きなの?環はいぬ美がお気に入りだけど、桃子はどの子が気になるの?」
周防桃子
「……別に桃子、動物好きじゃないよ。後学のために、現実の動物に触れておきたいだけだもん。」
周防桃子
「……この前の駅伝イベントで、桃子、ウサギ役だったでしょ。」
我那覇響
「自分がウサギじゃなくて、伊織はキーキー言ってたけどね。桃子、すごく可愛かったさー。」
周防桃子
「それが問題なの。お兄ちゃんも現場の人達も、『可愛い』って。リアルって言われなかったよ。」
周防桃子
「桃子は女優なんだから、役を貰ったら完璧に演じないと。」
我那覇響
「桃子は考えすぎだぞ……アイドルなんだから、可愛いって言われるのが一番でしょ?」
周防桃子
「アイドル桃子じゃなくて、『ウサギの桃子』がキャスティングされたんだよ。考え、甘いよ。」
周防桃子
「お芝居ができないアイドルなんて、すぐに消えるんだから……この世界なら常識だよ?」
我那覇響
「『ウサギ役』なんて、そう何回も演じること無いような気がするぞ……。」
周防桃子
「中途半端に終わったら、桃子の気持ちが収まらないの!……ウサギさんに、会わせてくれるの?」
我那覇響
「もちろん大歓迎さー!じゃあ今夜、ご飯も作るから食べに来てよ。みんな喜ぶと思うぞ!」
我那覇響
(……そんなこんなで、初めて桃子がうちに来たんだよね。)
我那覇響
「……みんな帰ったぞ〜。お留守番ちゃんとしてたか?淋しくなかったか?ご飯用意するぞ!」
周防桃子
「お邪魔します……って、響さん本当に、こんなに沢山の動物飼ってるんだね。」
我那覇響
「ハム蔵といぬ美は知ってるよね。こっちがねこ吉、あっちがブタ太、オウ助にへび香に……」
我那覇響
「それでこの子が、ウサギのうさ江!こっちに来るさー!桃子、抱っこしてみる?」
周防桃子
「まずは仕草を観察したいかな……ウサギって、そんなに高くジャンプしないんだね。」
我那覇響
「それじゃ、すぐにくたびれちゃうぞ。……それより、うさ江が警戒してるから撫でてあげてよ。」
周防桃子
「わあ、暖かい……結構筋肉がしっかりしてるんだね。」
我那覇響
「縫いぐるみとは違うからね。見て見て、鼻先をヒクヒクさせてて、可愛いぞ。」
我那覇響
「……桃子、そんなおっかなびっくり抱いちゃダメだぞ。ストレスになるから……」
周防桃子
「分かってるよ……ちょっと慣れてないだけだもん。すぐにマスターするから。」
我那覇響
「小学校でウサギ、飼ってなかったの?前の『お仕事』でも、動物と触れ合うことあったでしょ?」
周防桃子
「……売れっ子だったときは休んでばっかりだったし。動物との撮影は、短期集中だし。」
我那覇響
「……ごめん。なんか悪いこと思い出させちゃったみたいだな。」
周防桃子
「いいよ。今はお兄ちゃんも、劇場のみんなも居るもん。別に寂しくないよ。」
周防桃子
「でも響さん、本当に動物好きなんだね。次から次に『買って』たら、大変でしょ?」
我那覇響
「そうだなあ、食費とかは大変だけど……みんな寂しい子だから、つい家に連れて来ちゃうんだ。」
我那覇響
「野良なのに親からはぐれたり。保健所で目が合ったり。うさ江はショップの売れ残りだぞ。」
周防桃子
「……。」
我那覇響
「やっぱり誰だって、『家族』と一緒がいいよね。だから、独りきりの子は『飼っちゃう』んだ。」
我那覇響
「……だから、桃子も寂しくなったら遊びに来てよね!自分、いつだって大歓迎だから!」
周防桃子
「桃子は動物じゃないもん。……でも時々は、うさ江ちゃん達に会いにくるかもね。」
周防桃子
……
我那覇響
(……あとでプロデューサーに聞いたけど、あの頃桃子、親御さんと険悪になってたんだって。)
我那覇響
(育や春香にも相談できなくて……適当な理由つけて、自分の家に気晴らしに来たみたいなんだ。)
我那覇響
(でも自分、嬉しかったぞ!自分や自分の『家族』が、桃子の役に立ったんだからね。)
我那覇響
(その後も、桃子は何回か自分の家に来てるけど……これからも、自分を頼っていいからね。)
我那覇響
(桃子は、伝えたい本心を口にしないけどね。……まるで、鳴き声を上げないウサギみたいだぞ。)
周防桃子
……
周防桃子
(あの頃、お兄ちゃんに聞いてたんだ。最近ちょっと、響さんの元気が無いんだって。)
周防桃子
(お仕事が続いてて地元に帰る暇も無いし。貴音さんとか他の人も忙しいから、遊べてないって。)
周防桃子
(それまでほとんど話してなかった桃子が話しかけたら、本当に嬉しそうだったよ。)
周防桃子
(寂しいのに耐えられないなんて、響さんは、ウサギみたいだね。)
周防桃子
(桃子、友達付き合いって上手くできないけど……それでもいいなら、これからも宜しくね。)

(台詞数: 50)