春日未来
このアルバムは墓標、夢を目指した少女の夢の跡…
春日未来
ならば新たな写真を貼る私は墓守なんだろう、もうこの墓標を見る者は私だけだから…
春日未来
『本当に、アイドルやってて楽しかった…みんなありがとう!本当にありがとう!』
春日未来
『春日さんと一緒に写真ですか…?ええ、もちろんいいですよ…はい、チーズ』
春日未来
笑顔で去った人たちがいた…私は何も言えなかった。
春日未来
かくして墓標は増えて行き、墓守がアルバムを眺める時間も増えていく…
春日未来
『バイクで事故ってもう踊れないだって…本当、バカみたいだよ、あたし…』
春日未来
『杏奈…成績が悪くなりすぎて…アイドルをやめろって…言われて…』
春日未来
未練を残して去った人たちがいた、私は何も言えなかった…
春日未来
『ええ、ついに英国に戻る日が来てしまいました…』
春日未来
『お父さんが倒れて、実家が大変だって…あたしも手伝いに行きたいんさぁ…』
春日未来
故郷に帰った人たちがいた、私は何も言えなかった…
春日未来
『にゃーっはっは!未来ちゃん!そんな顔をしなくとも茜ちゃんは必ず地球に戻ってくるからね!』
春日未来
『楽しそうだからちょっと茜ちゃんを追いかけて来ますね…わーい♪わーい♪』
春日未来
違う世界へ飛び立った人たちがいた、私は何も言えなかった…
春日未来
『まさかあたしが嵌められちゃうなんてね…仲間を裏切る気は無かったんだけどなぁ…』
春日未来
『ありさはそんな事してません!ちょっと隠し撮りしたり家の中に入ったりしただけで…』
春日未来
嵌められて芸能界を去った人たちがいた、私は何も言えなかった…
春日未来
『ごめんね未来ちゃん、でも何も言えないの、言ったら私、きっと壊れてしまうから…』
春日未来
『嫌だ!嫌なの!たまきはもう、アイドルも学校も全部嫌なの!』
春日未来
何も言ってくれない人がいた、私は何も言えなかった…
春日未来
『未来、あなたならトップアイドルになれる、それが見れたなら、私に後悔は無いから…』
春日未来
何も、言えなかった…
春日未来
かくして墓標は増えて行き、墓守がアルバムを眺める時間も増えていく…
春日未来
このアルバムは墓標、夢を目指した少女の夢の跡…
春日未来
ならば新たな写真を貼る私は墓守なんだろう、もうこの墓標を見る者は私だけだから…
春日未来
…私は自分の写真を撮り、それをアルバムに貼り付けた。
春日未来
…何も言わなかった。
春日未来
かくして墓標は増えて行き、アルバムは棚に仕舞われた。
春日未来
次に墓標が増えるのはいつだろう…あるいは、もう増えないのかもしれないけど。
(台詞数: 30)