「秋桜集」14:『蕾に融けるモノ』
BGM
恋花
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2016-10-23 19:03:01

脚本家コメント
リレー企画ドラマ「秋桜歌」、第14番目です。
次回:赤津紀一さんです
前回:Kozzyさん
『役者として』
http://imas.greeーapps.net/app/index.php/short_story/info/uid/1100000000000011144/seq/178

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春日未来
「私ね、ずっと探してるんだ」
春日未来
「もう一人の私の事」
春日未来
「どこかにいないかなーって」
春日未来
「でも、見つからないんだ…」
春日未来
「あの子は私でね、私があの子なのは理解してるんだよ?」
春日未来
「でもね…つい、会えるんじゃないかって、そう思って捜しちゃうよ…」
春日未来
「見つかるはずもないのにね…」
春日未来
「そういうのを徒労って言うんだって…」
春日未来
「じゃあさ、私が今貴方に語り掛けているのも徒労に終わるのかな?」
春日未来
「あのね、貴方が咲いてくれれば…」
春日未来
「きっともう一度、私に会えるんじゃないかって…」
春日未来
「そう思うんだ…」
春日未来
「ゴメン…」
春日未来
「さっきから言ってること、支離滅裂だよね…」
春日未来
「わかってる…」
春日未来
「それはわかってるんだよ…」
春日未来
「ビー玉越しの夏にはもう帰れないって…」
春日未来
「とっくにわかってるよ…」
春日未来
「私の中に、あの子が帰ってきて…」
春日未来
「私の中にあの子が調和したあの日から…」
春日未来
「もう、二度と訪れるはずのない時間だって…」
春日未来
「夢物語だってわかってる…」
春日未来
「でもっ…」
春日未来
「もし貴方が立派な大輪の花を咲かせられたら…」
春日未来
「私のお願い事も花開いて欲しいな」
春日未来
「だって…私もあの子と話したい」
春日未来
「あの子と、思い出話に花を咲かせたいな…」
春日未来
そう言った私の瞳からは、一滴の大きな雫が滴って…
春日未来
まるであの夏のビー玉の様に大きな雫は今はまだ咲く事の無い蕾の上に落ちたのだった…

(台詞数: 29)