七尾百合子
昔々ある所に、マッチを売る少女達がいました。
春日未来
マッチ〜、マッチは要りませんかー?マッチですよ〜。
七尾百合子
少女達は路上で懸命にマッチを宣伝していましたが、足を止めてくれる人はいませんでした。
春日未来
「リーダー。もう駄目ですよ!」「そうですよ!マッチに興味ある人なんていないんですよ!」
春日未来
そ、そんなこと無いよ!もう冬だし、きっと売れるよ!
七尾百合子
メンバーの少女がリーダーである少女に訴え、リーダーはメンバーを励ましました。
七尾百合子
その時…。
高木社長
うおっほん!君君、ちょっといいかね?
春日未来
社長!?こんな所までどうしたんですか!?
七尾百合子
現れたのは、少女達の勤めている会社の社長でした。
高木社長
君のチームの作っているマッチ、どうも売れ行きが芳しく無いようだねぇ。
高木社長
このままだとチームは解散、みんな別のチームに移ってもらうことになる。
春日未来
そ、そんな…!これから!これからバンバン売りますから!
高木社長
そうかね?まあ、解散の件については覚えておいてくれたまえ。それでは、私はこれで。
春日未来
「リーダー!どうしましょう!?」「私達、解散なんですか!?」
春日未来
「…実際、マッチなんて時代遅れだよね。」「ライターでいいじゃん。」「確かに。」
七尾百合子
突然の解散宣言にメンバーは困惑し、中には諦める者も出てきました。
七尾百合子
その時でした。
春日未来
諦めてたまるもんか!!
春日未来
「「「!!??」」」
春日未来
思い出して!私達が本当に作りたかった物!作りたかったマッチ!
春日未来
みんなの体だけじゃなく、心まで温め、明るく照らしてくれるマッチ!
春日未来
そんなマッチをみんなに届けたかったんじゃないの!?
春日未来
「そ、それは…」「そうですが…でも…!」
春日未来
私達の目指す理想のマッチ。それに届くまで、私は絶対に諦めない!
春日未来
みんな、マッチを手に取って…(シュボッ)
春日未来
無理強いはしない。辞めたい人は今すぐ別のチームに移ってもいい。
春日未来
だけど、私と共に最後まで足掻く覚悟がある人は、このマッチに火をつけて!
春日未来
「「「…………」」」
春日未来
「「「(シュボッ!!)」」」
七尾百合子
諦めた人は0でした。彼女達はみんな、マッチが大好きだったのです。
七尾百合子
その日から、新作マッチの開発が始まりました。
春日未来
「子供でも安心して使える方がいいよね。」「発光量を増やしたら?」「発光時間の延長を。」
春日未来
「すぐに消えるような灯じゃ駄目だよ。」「色にバリエーションがあるといいかも。」
春日未来
「もっと光を!もっと輝きを!」「私達の光を世界に!!」
七尾百合子
少女達はアイディアを出し合い、新作マッチを完成させていきました。
七尾百合子
そして!!
春日未来
いらっしゃいませー!マッチ、マッチはいかがですかー?
春日未来
「オレンジ注文きました!」「赤1浅葱1オレンジ3で!」「大発光オレンジ5!」
高木社長
やぁ君!調子はいいようだね!噂は聞いているよ!
春日未来
社長!!
高木社長
新作マッチ…この細い棒がそうかな?随分と変わったデザインだね。
高木社長
これを軽く折ると…おお!発光した!これは面白いね。
高木社長
色のバリエーションも豊富で、どれも綺麗だ。それにとても明るい。
高木社長
火のつかないマッチなんて奇妙だと思ったが、これはこれで楽しいじゃないか!
春日未来
はい!私達の考える、理想のマッチができたと思います!
春日未来
このマッチで世界中のみんなに明るさを届けたいです!
高木社長
(それにしても…これはマッチなのだろうか?)
七尾百合子
その後、少女達の作ったマッチはパーティーやコンサートなどで人々を明るく照らしましたとさ。
七尾百合子
めでたしめでたし。
(台詞数: 50)