永吉昴
とまぁ、オレの昔話はここでおしまい。
永吉昴
んで、故郷に帰る途中に、死神さんに会ってしまったってわけだ。
春日未来
色々と、大変だったんですね……。
永吉昴
そうだな。けど楽しい事の方が多かったから、あまりそう感じなかったかな。
永吉昴
自分がやってきたことに、後悔していないさ。ほんと、楽しい人生だったよ!
永吉昴
そうだ。オレは明日亡くなるって言ったけど、いつ どんな形なのか教えてくれないかな?
春日未来
あー、ごめんなさい。教えると、予定と違う行動されたら困りますので……。
永吉昴
まっ、そうだよな。
永吉昴
できれば苦しい思いをしたくないんだけど、そこはお願いしたいかな。
春日未来
あははは……。
春日未来
……あの、スバルさん。
永吉昴
なに?
春日未来
明日までに、なにかしたい事とかありますか?
永吉昴
やりたい事か……、
永吉昴
ん～、そうだな………、
永吉昴
………恩返しがしたいかな。
春日未来
恩返し、ですか。誰に?
永吉昴
オレの芸を見てくれた、すべての人に!
春日未来
えぇ!?スバルさんの芸を見た人って、ものすごい人数ですよね!
春日未来
それに最近じゃまったく見てもらってなかったのに、どうして?
永吉昴
そりゃ、あの時はすごく悔しかったし、惨めな気持ちになったよ。
永吉昴
でもさ、死神さんと昔話をしてて気がついたんだ。
永吉昴
オレが今まで続けてこれたのが、みんなの笑顔があったからだと思う。
永吉昴
みんなに笑顔を届けるなんて言ったのに、いつの間にかオレが笑顔を受け取っていたのかもな。
永吉昴
願わくば、オレのジャグリングで恩返ししたいところだけど、
永吉昴
………無理だろうな。ここから故郷の街まで、明日中じゃ着きそうもないし。
永吉昴
まっ、明日は動けるまで落ち着いて眠れる場所でも探そうかな。
永吉昴
それじゃ、おやすみ死神さん。
春日未来
おやすみなさい。
春日未来
…………。
春日未来
『シーン9に続く』
(台詞数: 31)