最上静香
【ある日の放課後】
最上静香
よし、完成よ。早速食べてみましょう。
最上静香
(するするするする)
最上静香
……駄目ね。悪くはないんだけれど、これじゃ足りないわ。
最上静香
もっと麺にコシを…いえ、それより材料を変えた方がいいのかしら…。
北沢志保
何してるの?
最上静香
っ!?志保!?
北沢志保
1人だけ調理室に残って…今日は何も課題は出されていないわよね?
最上静香
べ、別に?ただ新しいうどんを試作しているだけよ?
最上静香
こんなのいつものことじゃない。
北沢志保
そうね。でも、いつもより試作の量が多いわね。
最上静香
(ギクっ!)
北沢志保
随分と熱心に試作しているようだけれど…。
北沢志保
もしかして、聖夜祭用かしら?
最上静香
…だ、だったらなんだっていうのよ!?悪い!?
北沢志保
……別に。それじゃあ私、忘れ物を取りに来ただけだから。
最上静香
えっ…聞かないの…?誰に渡すのかとか。
北沢志保
興味無いもの。あなたが誰にうどんを渡そうが、誰と聖夜を過ごそうが。
北沢志保
…でも、友人として一応成功だけは祈っておいてあげるわ。
最上静香
そう……ありがとう。
北沢志保
それじゃあまた明日。
最上静香
ええ……さて、試作の続きよ。
最上静香
やっぱり麺に使ううどん粉を変えてみようかしら…。
最上静香
あとは塩も。この間お土産でもらった塩があったはずよね。それから……。
北沢志保
…………。
北沢志保
まずは出汁を何とかしなさいよ。
最上静香
志保?
北沢志保
前から思っていたけれど、あなたは出汁の取り方が雑なのよ。
北沢志保
そんなことでは究極の出汁には到底届かないわ。
北沢志保
いい?出汁の取り方の基本はね…。
最上静香
あの…手伝ってくれるの?
北沢志保
別に。あなたの出汁の取り方があんまりだから、口出しさせてもらうだけよ。
最上静香
……ありがとう。
北沢志保
……じゃあ続き始めるから。まずは…。
最上静香
【1時間後】
北沢志保
だから!もっと出汁の声に耳を傾けなさいと言っているでしょ!
最上静香
わかるわけないじゃない!何よ出汁の声って!?
北沢志保
あなただって普段はうどんの声とか言っているじゃない!出汁もうどんでしょ!?
最上静香
ちーがーいーまーすー!出汁はうどんの麺と出会って初めてうどんなんですー!
最上静香
その点、うどんの麺ってすごいわよね。それだけでうどんってわかるもの。
北沢志保
出汁はそれ単体で飲めるけれど、麺は出汁や麺つゆ頼りでしょ。
北沢志保
やっぱり味の決め手である出汁こそがうどんの本質なのよ。
最上静香
ななな何ですって!?言わせておけばこの鰹出汁女!!
最上静香
もういい!私帰る!
北沢志保
私だって帰るわよ!ふんっ!
(台詞数: 45)