小麦粉と鰹出汁・その10〜原点〜
BGM
Catch my dream
脚本家
CRバルスP@禁酒中
投稿日時
2017-11-07 08:19:13

脚本家コメント
うどんがあれば何でもできる。

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最上静香
さあ、おあがりよ!
北沢志保
うるさいわね。言われなくても食べてあげるわよ。
北沢志保
(一見、何の変哲も無いうどんね。具は…ネギとかまぼこだけ?)
北沢志保
寂しいうどんね。まあいいけど。
北沢志保
(ずず…ずるずる…)
北沢志保
『お父さん!わたし、うどんにするっ!』
北沢志保
っ!?な、何…今の声は…!(ずずず…)
北沢志保
『志保はうどん好きか?』『うんっ!うどん大好き!』
北沢志保
またっ!?このうどん、脳内に直接…!?(ずるずる…)
北沢志保
『このうどん、志保が作ったの?とっても美味しいわ!』『お母さん、ほんと?ほんと?』
北沢志保
違う…これは子供の頃の記憶…初めてうどんを食べ、うどんを作った時の思い出…。
最上静香
うどん作りも楽しいことばかりじゃない。時には、辛くて下を向いてしまうこともある。
最上静香
そして誰もが、純粋にうどんを愛していた自分を見失ってしまう。
最上静香
これはそんな人に初心の自分を思い出してもらううどんなの。
北沢志保
(お父さん…お母さん…そうか。これは、初めて食べたうどんの味…。)
最上静香
あなたの過去に何があったか、私の未熟なウドンメトリーでは読めなかったわ。
最上静香
ただ、あなたがうどんに対して強い後悔と罪悪感を抱いているのはわかった。
最上静香
だから思い出してほしいの。うどんって、誰かを苦しめるものじゃないって。
北沢志保
(そうか…そうだったわ…シンプル過ぎてすっかり忘れていたわ…。)
北沢志保
(私、うどんが好きなんだ…。)
北沢志保
…ねえ、1つ聞かせてくれる?どうして私のためにここまでするの?
北沢志保
私は殆ど話したこともない留学生で、友達でも何でもない。
北沢志保
そして、互いに成績上位の席を奪い合う敵でもあるのに、どうして?
最上静香
同じ食べ物を愛した人だからよ。
最上静香
…というのは半分冗談で、この学園の淑女なら当然よ。
最上静香
うどんとは、傷ついた心を癒し、心身を満たす魔法の食べ物。
最上静香
そして、それをみんなに施すのが、立派な淑女の嗜みだもの。
北沢志保
レディー…。
最上静香
あなたの学校がどんな場所かは知らないけれど、ここにはうどんで人を傷つける人はいない。
最上静香
改めて…ようこそ、聖饂飩女学園へ。
北沢志保
(ずるずる……ごくん。)
最上静香
それで、感想を貰えるかしら?
北沢志保
……悪くはないわね。
最上静香
ふふっ。今はそれで満足してあげる。
北沢志保
私のうどんの方が美味しいけどね。
最上静香
はぁ!?何ふざけたこと言っているのよ、この鰹出汁女!!
北沢志保
誰が鰹出汁よ!!あなたこそ、いつも髪の毛が白いのよ!!この小麦粉女!!
最上静香
こ、小麦粉〜!?もう許さない!!だったらあなたのうどんも食べさせなさい!!
北沢志保
いいわよ。今から作ってくるから、そこで待っていなさい。
北沢志保
静香。
最上静香
っ!!
最上静香
ええ、楽しみにしているわ…志保!

(台詞数: 42)