箱崎星梨花
えいっ…えいっ……お姉様、これでいいんですか?
最上静香
ええ、とっても良い感じよ…でも、少し物足りないわね。
最上静香
もっと強く踏んでちょうだい。
箱崎星梨花
わかりました!えいっ!
最上静香
あっ、良い!星梨花の踏み方が良いから、とても喜んでいるのがわかるわ!
箱崎星梨花
えへへ、お姉様にそう言ってもらえると嬉しいです。それにしても…。
箱崎星梨花
おうどんの生地を作るのって、とっても大変なんですね。
最上静香
確かに、この工程は辛いわよね。うどんの生地ってなかなか固いもの。
箱崎星梨花
いっそのこと、パパに頼んで生地をこねる機械を作ってもらうのはどうですか?
最上静香
駄目よ!この工程は…ううん。どの工程も機械には任せられないわ!
最上静香
うどんの声に耳を傾けて、うどんが最も喜ぶ状態を把握する。それが最高のうどんを作るコツよ!
箱崎星梨花
お姉様……はい、わたしが間違っていました。
最上静香
わかってくれればいいの。この「創作うどん部」の技術は、星梨花にも引き継いでいかないと。
最上静香
今年は何故か入部した1年生が星梨花だけだから…本当、何故かしら?
箱崎星梨花
さあ?不思議ですよね。
最上静香
私の他にも2年生がいれば、私がいない時にも教えてあげられるのに。
箱崎星梨花
それは本当に知らないんですが、どうしてお姉様の代はお姉様だけなんですか?
最上静香
ここって好き勝手にオリジナルのうどんを作って、食べて、お喋りする部活でしょう?
箱崎星梨花
はい。うどんのコンテストに出たりもしませんよね。
最上静香
そういうのって、自由で気楽なんだけれど、ある意味退屈な環境でもあるのよ。
最上静香
だから、私以外の部員は入部してすぐに辞めちゃったの。
箱崎星梨花
なるほど…わたしとしては、ちょっと好都合ですけど…。
最上静香
えっ?
箱崎星梨花
いえ、何でもありませんっ。それよりも、もっと生地を踏まないと、ですよね!
最上静香
そうね。私もここ最近部活に顔を出せなかった分、今日はみっちりうどん作りを教えてあげるわね!
最上静香
北沢志保のことは気になるけれど、今は部活に集中しないと!
箱崎星梨花
(ぐしゃ!!)
最上静香
ひっ!?
箱崎星梨花
北沢志保って……もしかして、例の留学生ですか?
最上静香
え、ええ、そうよ…。
箱崎星梨花
気になるって……どういうことですか?
最上静香
べ、別に大したことじゃないの。あの子、うどんが嫌いらしくて…。
最上静香
この学校に来たのにうどん嫌いなんて「変だなー」って…そ、それだけで…。
箱崎星梨花
……ふぅん。お姉様。
箱崎星梨花
うどん好きのお姉様にとって見過ごせないのはわかりますが、好みを押し付けるのは良くないです!
最上静香
そ、そうかしら…?
箱崎星梨花
はい!本人が嫌いと言っているのだから、今後はそっとしておいた方がいいです!
最上静香
確かに…私もちょっとムキになりすぎていたかもしれないわね。
最上静香
…でも、やっぱり何か事情がありそうだし、もう少し話してみたいのよ。
箱崎星梨花
もう、お姉様はお節介ですね。……そういうところも好きなんですが。
最上静香
ところで星梨花。ちょっと良いかしら?
箱崎星梨花
はい、何でしょうか?
最上静香
その…生地が凹んで…。
箱崎星梨花
あ…なんだか、おうどんを作るコツが掴めてきたみたいです。
箱崎星梨花
この調子で、とっても美味しいおうどんをご馳走しますね!
最上静香
ええ…それは楽しみだわ…あはは。
最上静香
(…あの一瞬で、うどんの声が完全に服従してる…。)
最上静香
【完成した星梨花の麺は、しっかりとしたコシが自慢の、とても食べ応えのある麺だった。】
(台詞数: 48)