怪談
BGM
赤い世界が消える頃
脚本家
てるつー
投稿日時
2017-07-15 18:32:43

脚本家コメント
うどんとは一体

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最上静香
──目が覚めた時、あたりはすっかり暗くなっていました
最上静香
どうやら車椅子で散歩中に、うたた寝してしまったようです
最上静香
時計に目をやるともう夕食の時間。病室に戻ろうと思ったその時、腕に違和感を感じました
最上静香
なんと。点滴のチューブが──1本のうどんに変わっていたのです
最上静香
思わず二度見しました。何回か目をこすってみましたが、チューブはうどんのままです
最上静香
恐る恐る触ってみると、うどん特有のプニプニとした触感が伝わって来ました
最上静香
……何、これ。気持ち悪い
最上静香
私は思い切ってうどんを引き千切りました
最上静香
プチッ、と小さな音をたてて切れたうどん
最上静香
うどんの中から、どす黒い液体が溢れて来ます
最上静香
それは生理食塩水ではなく。補水液や血液でもなく。
最上静香
───めんつゆ、だったのです
最上静香
何が起きているの?疑問に思ったのも束の間。今度は足に違和感を覚えました
最上静香
見ると、床から生えてきたうどんが足首に巻き付いています
最上静香
まるで『逃がすまい』とでも言わんばかりに。
最上静香
怖くなった私は足首のうどんを千切り、車椅子を捨てて全力で逃げ出しました
最上静香
──廊下を必死に走る私。
最上静香
──追いかけてくるうどん。
最上静香
でも私は、所詮14歳の女子中学生。体力もたかが知れています
最上静香
このままだと追いつかれる。そう思った時、どこからか志保の声が聞こえてきました
北沢志保
『静香!こっちへ!』
最上静香
上を見上げると、天井から志保の白い腕が差し伸べられています
最上静香
助かった!
最上静香
そう思った私は、躊躇せずに腕を掴みました
最上静香
──しかし。掴んだ瞬間に腕はドロッと溶け。
最上静香
うどんへと変化し、そのまま私の腕に絡みついて来たのです
最上静香
うどんは腕を伝って私の首に巻き付いてきました
最上静香
──ダメだ。このままではうどんに絞め殺されてしまう……
最上静香
そして次の瞬間──『ボキッ』首の骨が折れる音が聞こえました
最上静香
視界に赤黒い斑点がちらつき始め、目を開けていられません。
最上静香
痛い!苦しい!呼吸ができない!そのまま視界が暗転し──
最上静香
──目が覚めたら、そこはいつものレッスン場だったのです
北沢志保
……
最上静香
……
北沢志保
……怪談の入り口としては及第点だと思うけど
北沢志保
クレシェンドブルー集団ダンスレッスンの休憩中にうたた寝、そのまま熟睡。
北沢志保
そして起きた頃にはもう夜。
北沢志保
寝てる静香の代わりに私は6時前に星梨花を帰らせて。
北沢志保
プロデューサーさん含めた残り4人でレッスン場の後片付けを終わらせ。
北沢志保
後は私達が出て戸締まりして帰るだけ。
北沢志保
……何か言いたいことは?
最上静香
……当分、うどん食べたくない
北沢志保
そうじゃなくて

(台詞数: 43)