ReRise第22話『この組み合わせは』
BGM
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脚本家
遠江守(えんしゅう)P
投稿日時
2017-04-17 23:28:50

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最上静香
時計を見ると、もうすぐ準決勝の抽選が始まる時間だった。
最上静香
私は断りを入れてレッスンを中断すると、抽選の会場となっている事務室へ向かう。
最上静香
会場に着くと、そこには私以外の出場者が全員揃っていた。
最上静香
出場者以外にも、かなりの人数が抽選を見に来ていて、注目度の高さが窺い知れる。
最上静香
準決勝からの抽選方法は、第一回のときと変わらない。
最上静香
箱の中のボールを引いて、1と2、3と4の組み合わせで、1と3がそれぞれ先攻となる。
最上静香
抽選の準備が終わり、ボールを引くように言われて、私は一番最初に前へ進み出た。
最上静香
誰かの結果を先に見て、幸運を祈りながらくじを引くのは性に合わないと思ったから。
最上静香
ちらっと様子を窺って、他の三人が動かないのを見て、私は箱の中に手を入れた。
最上静香
取り出したボールの番号は…1番!
最上静香
「1番です!」
最上静香
ホワイトボードに私の名前が書き込まれて、後は残りの結果を待つだけになる。
島原エレナ
「ハイ!ハイ!次はワタシが引くヨー!」
最上静香
次に名乗り出たのは、エレナさん。箱の中に手を入れて、ボールを…。
島原エレナ
「ワッ!?ワッ!?」
最上静香
手を滑らせたのか、取り出したボールをお手玉して、そのままてんてんと転がって…。
真壁瑞希
「…おっと。」
最上静香
ボールが転がった方向に居た瑞希さんが、それを拾いあげていた。
真壁瑞希
「はい、どうぞ。」
島原エレナ
「エヘヘ~、ごめんネッ!ありがと!」
最上静香
瑞希さんからボールを手渡されたエレナさんが、番号を確認して…。
島原エレナ
「3番だヨ!」
最上静香
…エレナさんとは番号が離れた。ということは、私の相手は、琴葉さんか瑞希さん…。
真壁瑞希
「では、次は私が。」
最上静香
今度は、エレナさんにボールを渡すために近寄っていた瑞希さんが、抽選箱に手を入れる。
最上静香
取り出したボールは…。
真壁瑞希
「…2番、です。」
最上静香
…これで、決まった。
最上静香
私と瑞希さん。エレナさんと琴葉さん。
最上静香
正直に言って、この組み合わせは…一番キツい。
最上静香
琴葉さんとは、力の差はあるかもしれないけど、条件そのものは対等だった。
最上静香
瑞希さんは…持ち歌の温存という圧倒的有利に加え、その実力だってまったく油断できない。
最上静香
これは予測はしていたこと。3分の1という確率で、こうなるって知っていた。
最上静香
それなのに、私は…弱い。
最上静香
絶望的な状況に、早くも心がくじけそうになっている。
最上静香
こんな時、他の人ならどう思うのだろう。
最上静香
未来なら?
最上静香
どんな逆境でも、精一杯の笑顔で向かっていく姿が見える。
最上静香
志保なら?
最上静香
不安を胸の奥深くに押し込め、毅然と立ち向かっていくような気がする。
最上静香
千早さんは?
最上静香
その歌に賭けた信念で、揺るぎなく突き進んでいくのではないかと思う。
最上静香
私も、もし叶うならば…。
最上静香
神に祈るなんて、他力本願なことは意地でもしたくなかった。
最上静香
だから、私は大切な仲間たちに祈る。
最上静香
どうか…私を見ていて。あなたたちの勇気を見習って、最後まで戦うから。
最上静香
…その祈りが、伝わったのか伝わってないのか。
最上静香
抽選会場を出た私の視界に、まるで風景を削ぎ落したかのように入ってきたものがあった。
最上静香
それは、遠くから私を手招いている、あの人。
最上静香
…またしても、貴音さんの姿が、私の視線の先にあった。

(台詞数: 50)