真実の在り処 9
BGM
赤い世界が消える頃
脚本家
Կիշիրա
投稿日時
2017-03-29 01:44:03

脚本家コメント
前は347、さよならと覚えてください
次は351、さごいらと覚えましょう

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最上静香
「しまった……あからさまに迷った」
最上静香
真壁瑞希にのり子さんのデータを渡したあと、私は逃げるように塔を後にした……
最上静香
つもりだったが、出る事ができなくなっていた。無理やり入ったのが駄目だったのかもしれない。
最上静香
私がここにいることは、とうにバレているはずなのだが(塔だけに)、未だ追い回される事も無い。
最上静香
「こんなところ、早く抜け出して金輪際関わりたくないのに」
最上静香
こうなったのも、そもそも真壁瑞希が悪い。
最上静香
あんなにどうでもいいたい焼きの話に食いつくなんて、大誤算だ。
最上静香
ただ……
最上静香
あれを知れば、真壁瑞希が皆の言うような人物であれば……
最上静香
これで、何かが変わるはずだ……
最上静香
何か、か。これはのり子さんの願いであり、亜利沙さんの思惑でもあるわけで……
最上静香
……ややこしいな。それよりまずここから抜け出さないと。
高山紗代子
「あの、そこに誰かいるんですか?」
最上静香
!!しまった。ここで捕まってしまえば確実に終わりだ!なんとかしないと。
最上静香
「め、メェーメェー」
高山紗代子
「なんだ羊か。鳴き声聞いたことないけど多分こんな感じなんだろうな」
最上静香
よし!羊を模すのは初めてだったけどなんとか切り抜けた。やるじゃない私。
高山紗代子
「……羊?……まさか」
最上静香
しまった!もしかして羊に興味がある人だったのか。珍しいもんな、羊。
高山紗代子
「あれ?ここに羊いませんでした?」
最上静香
「いえ、ここには太古より私しかいませんよ?」
高山紗代子
「……つまり、あなたが羊ということですね」
最上静香
どういう思考回路なの。
高山紗代子
「ついてきてください。私のお部屋でお話ししましょう」
最上静香
……この人、何者?
高山紗代子
「あ、めっちゃ歩きますけど大丈夫ですか?」
最上静香
いったい誰なんだこの人。
高山紗代子
「どういうわけかさっき、目が外れたみたいなんです。今のうちに私の部屋まで行ければ」
最上静香
目?
最上静香
「あの、どういうつもりなんですか?」
高山紗代子
「羊……多分あなたの事だと思うけど、あなたのことだけが何故か誰も分からないみたいで」
高山紗代子
「だから逆に言えば、何か起こせる人の一人なんだって。あなたが」
最上静香
まるで話が噛み合わない。こんな人に着いて行っていいの?
最上静香
……いやまあ選択肢はないけれど。
高山紗代子
「でもね、あなたは羊だったから、消えちゃうかもしれなかったんだけど」
高山紗代子
「無事ってことはきっと、あの子が……」
高山紗代子
「さっきから、色々な事が変わり始めてる、皆混乱してるから、私には予想もできない」
高山紗代子
「と、いうことです。わかりましたか?」
最上静香
「変わったって、何がですか?」
高山紗代子
「あなた、あの子に……瑞希ちゃんに、何をしました?」
最上静香
……ここでその名前が出てくるなんて。いったいどういう事かしら。
高山紗代子
「いえ、それは良いんですけど。それによってあなたは助かって、代わりに……」
最上静香
「真壁瑞希が犠牲に?」
高山紗代子
「……はい。今のところ、という話ですけどね」
最上静香
つまり、真壁瑞希が何かしたということ?あれを渡してから数時間くらいしか経ってないはず。
最上静香
「というか、私が真壁瑞希に助けられたということ?女神様を助ける為の計画だったのだけど」
高山紗代子
……
最上静香
「どうしたのいきなり黙り込んで……」
高山紗代子
「あなたの言う女神の行く先は、おそらく何も変わってはいません」
高山紗代子
「ただ一つ確かな事は、これで完璧に塔は『完成』するということです」

(台詞数: 50)