ReRise第4話『初めての心で』
BGM
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脚本家
遠江守(えんしゅう)P
投稿日時
2017-03-27 23:09:20

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最上静香
そして、予選の日がやってきた。
最上静香
予選会場には劇場の小ステージを使い、一人ずつ順番に呼び出されるようになっている。
最上静香
私の順番は14番。最後から数えた方が近いくらいに後の方ね。
最上静香
AS組は第三回までに全員が出番を終えて、今回の16人は、全員がシアター組から選抜された。
最上静香
その中でも目に付くのは、予選突破は間違いないと思える人たち。
最上静香
翼はこんな時でも相変わらずで、他の出場者とおしゃべりをする余裕を見せていた。
最上静香
その近くでは、紗代子さんが本番前のチェックに余念がない。
最上静香
…特に気合が入っているのは、やはり敗者復活組かしらね。
最上静香
遠くには志保の姿があって、見てみれば、鏡の前で自分の振り付けを確認しているようだった。
最上静香
時間になると、一人ずつ呼び出されて、出番待ちの部屋から人がどんどん減っていく。
最上静香
敗者復活組は、後ろの方にまとめられているみたいね。
最上静香
私の前まで順番が進むと、部屋に残されているのは私と志保、琴葉さんだけとなった。
最上静香
そして、私も呼び出され、予選会場のステージへと向かう。
最上静香
「…では、行ってきます。」
最上静香
琴葉さんと志保に声をかけ、私は待合室を後にした。
最上静香
予選会場は、トーナメント会場でもある小ステージ。
最上静香
…審査員は、社長とダンスの先生とボイトレの先生が務めるのね。
最上静香
三人の前に立って、お辞儀をして。
最上静香
「14番、最上静香です!よろしくお願いします!」
最上静香
大きな声で挨拶すると、社長はにっこりと笑った。
高木社長
「うむ!良い挨拶だ。」
最上静香
でも、そのにこやかさは一瞬のこと。すぐに表情を引き締めて。
高木社長
「ところで静香君。君がこの曲を選んだのには、何か理由があるのかな?」
最上静香
社長の言葉に、私は用意していた答えを、私の想いを、胸を張って宣言する。
最上静香
「初心に返るため、です。」
高木社長
「ほう…。しかし、君がこの歌を歌ったことは、あったかな?」
最上静香
その問いに、私はよどみなく答えた。
最上静香
「この曲は、私と未来の二人で歌って、CDも収録しました。」
最上静香
「でも、一番最初にこれを歌う予定だったライブは、当日に私が体調を崩してしまったので。」
最上静香
「こういう場ですが、ステージの上で本番として歌うというのは、これが初めてです。」
高木社長
「なるほど、そうだったのか。ふむふむ、初心ねえ…。」
最上静香
私の話にうんうんと頷く社長が、ダンスの先生に促されて、はっと我に返った。
高木社長
「…いや、すまなかったね、色々聞いてしまって。集中を切らしてないと良いのだが。」
最上静香
「大丈夫です。」
最上静香
私は、準備はできていると、ステージの中央に立つ。
高木社長
「よし、それでは始めよう。」
最上静香
社長の声を受けて、音響のスタッフさんが動き始めて。
最上静香
ほどなくして、ステージに『GO MY WAY!!』のイントロが流れ出した。

(台詞数: 38)