最上静香
…どうしよう。事務所に入れないわ。
最上静香
何で扉の真ん前で浮かれた格好した志保が、どや顔で仁王立ちしてるのよ。
北沢志保
←頭に三角帽子、『あんたが主役』と書かれたきあいのたすき。
最上静香
…仕方ないわ。今日は直接レッスンに行きましょう。未来に連絡しておかないと。
北沢志保
…ちらっ。
最上静香
見つかった!?いや、まだ私と特定されたわけじゃないわ。さっさと引き返せば…。
北沢志保
見つけたわ、静香!!【ダッ!】
最上静香
こっち来るな変質者!!
北沢志保
誰が変質者よ!!
最上静香
今の貴女の格好を鏡で見てから言いなさい!!
北沢志保
いつも通り、血色のいい顔だったわ。
最上静香
ああそう。それじゃあ私はレッスンがあるから帰るわね。
北沢志保
待ちなさい、静香。
最上静香
何よ。面倒ごとだったら聞かないわよ。
北沢志保
今日は私の誕生日なの。祝いなさい。
最上静香
知ってるわよ!そんな主張してたら誰だって気づくに決まってるでしょ!!
最上静香
というか、隠したり焦らしたりする気ゼロなのね。
北沢志保
もう時間が無いんです!!
最上静香
あなたの意志も焦る気持ちも分からないし、それは言ってほしくない言葉だったわ!
北沢志保
むしろ、時間は有り余ってるのよ。みんながパーティの準備してて、私は締め出されたの。
最上静香
よりによってその恰好で!?
最上静香
…暇なら譜読みとか台本読みとか、いつものようにスマホを弄るとかしてればいいじゃない。
北沢志保
時間が空いたらすぐスマホって、最近の若者じゃないんだから。依存症になるわよ?
最上静香
若者筆頭が何を言ってるのよ!貴女のアルバム三枚目からすでにスマホ握ってるじゃない!!
北沢志保
というわけで、皆の準備が終わるまで暇なのよ。私に弄ばれなさい。
最上静香
嫌よ。一人遊びでもしてなさい。
北沢志保
分かったわ。なら、静香を弄って一人で遊ぶわ。
最上静香
結局私巻き込んでるじゃない!一人で遊んで遊んでなさいって言ったのよ!!
北沢志保
まあ、貴女で遊ぶのはいつでもできることだからいいのよ。それより、今日は私の誕生日なの。
最上静香
それはさっきも聞いたわ。今度は何が言いたいのよ。
北沢志保
プレゼントを寄越しなさい。むしろおいて行きなさい。
最上静香
プレゼントを要求するどころか追剥ぎ!?そんな人聞いたことないわよ!!
北沢志保
つまり私がオンリーワンね。
最上静香
無駄に前向き!!
北沢志保
いつも饂飩の事ばかり考えてる、脳みそ饂飩なんだから当然あるんでしょ?バースデー饂飩が。
最上静香
あー…それなんだけど、いい小麦粉が手に入らなくて、今日は作れそうにないの。
北沢志保
…え?
北沢志保
…え?【バターン!】
最上静香
倒れた!?ちょっと、志保!いきなり倒れ込むなんてどうしたのよ!!
北沢志保
…………。【モニョモニョ…】
最上静香
何て言ってるの?もっと大きな声で言ってよ。【ミミチカヅケ…】
北沢志保
…ふー。
最上静香
…ふんっ!!【ドゴォッ!!】
北沢志保
いっ…たい!目がぁ…!!
最上静香
ふざける貴女が悪いんでしょ!?私も皆の手伝いしてくるわ。
北沢志保
待って…本当は違うのよ…。
最上静香
違うって、何がよ。
北沢志保
……。
北沢志保
…今日の貴女のバースデー饂飩が楽しみで、昨日からご飯ずっと食べてないのよ。【グギュー】
最上静香
ご飯は三食食べなさいよ!今できうる全力で饂飩作るから少し待ってなさい!!
(台詞数: 50)