最上静香
【バサッバサッ】ここでいいわ。ありがとう、チルちゃん。帰りもよろしくね。
黒井社長
…何だ、いきなりすごい音がすると思ったら帰ってきたのか。
最上静香
…お父さん。
黒井社長
その顔、話が合って帰ってきたのだろう…が、親子が家の前で立ち話も変だ。中に入りなさい。
黒井社長
――――――――――。
最上静香
…ただいま、お父さん、お母さん。
音無小鳥
お帰りなさい、静香。私達ずっと心配してたのよ。
黒井社長
…それで、帰ってきた理由はなんだ。よほどの事があったのだろう?
最上静香
…………。
黒井社長
…………。
最上静香
…………。
黒井社長
…………。
最上静香
私、家出みたいに旅に出て、可奈に迷惑をかけて…。可奈だけじゃない。色んな人に助けられたの。
黒井社長
……。
最上静香
ポケモンたちに助けられて、ジムリーダーや、いろんな人に出会って…。
最上静香
色んな人と話をして、いろんな経験もしたわ。危ないこともあった。
黒井社長
…ラジオとうの件も、その中の一つということか。
最上静香
やっぱり、お父さんもラジオを聞いてたのね。他にも、危うく死ぬようなこともあった。
黒井社長
そうか…。
最上静香
本当に、今まで生きてた中で、とても濃い時間を過ごしたわ。
最上静香
最初は、ジムリーダーの一人に言われて渋々いろんな所へ行ってみたりしたけど…。
最上静香
…気が付いたら、そうやっていろんな所に寄り道するのが…楽しかった。
最上静香
可奈と、ポケモンたちと旅をするのが…とても楽しかった。
最上静香
…だから、お願い。
最上静香
…………。
最上静香
私、まだまだ旅を続けたい…!!もっと、いろんな所に行ってみたいの…!!【ジワ…】
最上静香
あれだけ反発して、図々しい事言ってるのは分かってるけど…お願い…します…!!【ポロ…】
黒井社長
……。
黒井社長
……そうか。やっと、本音を言ってくれたな。
最上静香
…お父…さん?【グシッ…】
黒井社長
全く…最初からそういえばよかっただろう。いや、口下手な所は私に似てしまったんだな。
黒井社長
…いや、私の方も娘を心配しすぎて、子ども扱いして、本当の声を聴いていなかったみたいだ。
黒井社長
可奈ちゃんと、旅でのすべての出会いが、これだけ静香を成長させてくれたのだな…。
最上静香
お父さん…。【グスッ…】
黒井社長
今なら、今の静香になら言える。好きな所へ行って、自由に旅をしてきなさい。
音無小鳥
ふふっ。二人ともやっと素直になったのね。知ってる?静香が旅に出てからのお父さんの事。
音無小鳥
ずっとずっと気が気でなかったのよ?毎日毎日、元気かどうか電話をしようかとしてたくらいよ。
黒井社長
なっ!それは言わないと言っていただろう!!【スイーッ】
黒井社長
【ベチンッ】もがっ!?
最上静香
お父さん!?え!?何、この子!グライガーなんて家にいたの!?
音無小鳥
この子ついこの前、お父さんが捕まえたのよ。ラジオとうにいる静香の手助けをするって言って。
音無小鳥
もうすべて終わった後だっていうのに、あの慌てようったら…ふふっ♪
黒井社長
…娘の心配をして何が悪いんだ。全く、捕まえたはいいがやんちゃで手が焼けるポケモンだ。
最上静香
…ふふ。何やってるのよお父さん。ほら、お父さんから離れなさい、グライガー。【ヒラリッ】
最上静香
【ベトッ】……。
音無小鳥
ふふふ、やっぱり貴女はお父さんと私の子供ね。
音無小鳥
それで、今日はどうするの?もう可奈ちゃんのいる所に戻っちゃうの?
最上静香
今日は泊まっていくわ。チルちゃんも休ませてあげたいし…久しぶりの家族との時間だから。
音無小鳥
そう。それじゃあ、旅の様子を私達に聞かせてくれるかしら。お父さんも気になるでしょ?
黒井社長
…そうだな。
(台詞数: 50)