ニネヴェ
BGM
オレンジの空の下
脚本家
Կիշիրա
投稿日時
2016-03-18 03:29:55

脚本家コメント
文字数ぎりぎりなので不自然な文で失礼します。
近世の神 1~5(224~227,230)

のり子シリーズ(237~250)

これ

シンアル(153)

ご存知クローシェ様親衛隊様作『二ムロデ』
http://imas.greeーapps.net/app/index.php/short_story/info/uid/1300000000000031424/seq/325
この先は神(クロさん)のみぞ知るって塩梅ですね。
長い話になってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。皆様のコメントありがたし。励
最後にクロさん、素敵な作品をありがとうござい!!

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最上静香
前に使ったIDはまだ有効だった。きっとあの人が見逃してくれたんだろう。
最上静香
いや、見逃す……は無いか。きっと有益だと判断したのだろう。
最上静香
のり子さん、あの囚われの姫様から託された夜が明けてすぐ、私は塔に堂々と侵入した。
最上静香
一歩一歩、足の裏に神経を集中しながら、あくまで堂々と歩く。
最上静香
潜入……私が初めてこの塔に入れると聞いた時は嬉々として引き受けたが
最上静香
結局、初陣はお粗末なものだった。あののり子さんにさえ逆に見破られていたっぽいし。
最上静香
本当に、こう言うのは慣れないが、塔によって出来た影で生きる私達の世界ではこうしなければ、
最上静香
真実を見つけることは、きっと出来ないのだ。
最上静香
……真実。私がずっと追い求めていたものだ。
最上静香
それはまだ雲の向こうにあり、私の様な翼の無い人間には窺い知る事はできない。
最上静香
ただ、ここで過ごした事も全くの無駄では無かった。
最上静香
この塔が悪いだけでは無いと言う事を知れた。確かに、これで心を救われた人もいた。
最上静香
きっと、本当に心からの思いを積み上げている人も入るのだろう。そうやって支えられているかも。
最上静香
ただ、この大きな柱に縫い止められている人間も多くいた。のり子さんだってその中の一人だし、
最上静香
もしかしたら、私が勝手に諸悪の根源だと決めつけていた女神でさえ、そうなのかもしれない。
最上静香
……この塔に、本当は悪など居ないのでは無いか。そんな考えさえよぎってくる。
最上静香
ただ、私は生の声を聞いた。
最上静香
街の外の人たち、塔の中の科学者、彼らの心に空いた穴は深刻だ。
最上静香
そして、のり子さん。あの人は、怒っていた。
最上静香
涙声で、怒っていた。
最上静香
もしかしたら、私がこんな感情を抱くのはおかしいかもしれない。
最上静香
だが、私はこの中の誰とも同じく人間なんだ。
最上静香
私の想いだって、ここに積み上げて良いはずだ。
最上静香
この件を終えたら、私は一度塔を出よう。そして、また違う形で入ってこよう。
最上静香
そして、今度は全てを暴く。
最上静香
全ての真実を知って、それから……
最上静香
……その後は、その時に考えよう。
最上静香
そもそも、ここから無事に出れるかさえ分からないし、そもそも無事に任務を終えられるか。
最上静香
失敗した時の事は考えてもしょうがない。失敗なんて許されていない。
最上静香
今私が背負っているものは、この塔よりも重いものなんだから。
最上静香
……のり子さんは、これだけの罪を犯して、どうなるのだろうか。
最上静香
いや、どうにもさせない。私はもう誰の犠牲も許さない。それに、私が犠牲になる気もない。
最上静香
さて、とうとう問題なくこの扉に辿り着けた。
最上静香
ここを越えれば、あとはもうどの研究室にも入れるはずだ。ただ……
最上静香
それ故に、一筋縄ではいかない。文字通りの関所。
最上静香
……と言っても、普通にこのIDで開けるしかない。開けられなければそれはそれで終わりだし、
最上静香
開いても、その記録を残してしまうからだ。負けか引き分けか、かなり分が悪い……
最上静香
と、その時。音をたて、急にドアが開いた。
最上静香
あ、そうか。向こう側から通る人が居ればそりゃ開くわよね。かなり不審だけどこのスキに……
最上静香
そう思って、反対側から出てきた白衣の人の横を通り抜けようと軽く会釈をした時。
最上静香
下げた視線の先、挨拶を返す相手の名札が目に入った。
最上静香
『真壁 瑞希』
最上静香
……!
最上静香
焦るな。怪しまれてはいけない。
最上静香
怪しまれてはいけないけれど、且つノートを人目につかない様に渡さなければならない
最上静香
幸い相手は一人だ。多少……かなり不自然だけど振り返ってその科学者の名前を呼んだ。
最上静香
相手は呼びかけに答え、私と同じように振り返った。その表情から感情は読めない。
最上静香
正直話すのは苦手だし、トークを褒められた事も一度も無い。それでも……
最上静香
繋がなければならない想いがある。
最上静香
「お忙しいところすみません。来月のたい焼きパーティーなんですけど……」

(台詞数: 50)