黒井社長
(フッ。今日の打ち合わせも完璧だったな。セレブな私に相応しい仕事ぶりと言えよう。)
黒井社長
(この調子であの忌々しい765プロ、346プロを追い抜き、いずれは頂点というわけだ。)
黒井社長
(ククク…それにしても。)
黒井社長
(腹が、減った。)
黒井社長
店を探すとするか。セレブな私に似合うゴージャスな店は、と…ん?
黒井社長
『佐竹飯店』…中華料理屋か、ふむ。見た目はラーメン屋に毛のはえたという所だが。
黒井社長
…何やらくすぐられる物がある。いいだろう、セレブの気まぐれだ。入ってやるとするか。
最上静香
あ、いらっしゃいませ。
黒井社長
(随分若いウエイトレスだな。それにどこかで見たような…?)
最上静香
メニューです。お決まりになりましたらお呼びください。
黒井社長
(まあいい。さて、今日の私は何が食いたい…ん?)
黒井社長
な、何だこれは!?『かけうどん』『きつね』『たぬき』『月見』!?おい店員!
最上静香
お決まりですか?あ、今日はコロッケうどんも出来ますよ。いいのが入りまして。
黒井社長
(…なるほど。中華料理屋に見えたが実はうどん屋だった、か。まんまと嵌められたという所か。)
黒井社長
(焦るのはセレブらしくない。私はただ、食事がしたいだけなのだ。)
黒井社長
注文だ。丸天うどんにいなりずし。葱は多めに頼むぞ。
最上静香
かしこまりました、お待ちください。
最上静香
…お待たせしました。
黒井社長
うむ。関西系の薄目の出汁か、良いな。関東うどんの濃い汁はどうも好みに合わん。さて…
黒井社長
(美味い!これはいい。麺の茹で加減、コシの強さといい、実に良く出来ている。)
黒井社長
(こちらのいなりずしは…む、少々薄味だな。だがそれがいい。)
黒井社長
(今この場での主役はうどん。いなりずしはあくまでも付け合せだ。それを良く理解している。)
黒井社長
うむ、美味かった。おい、勘定を頼む。
最上静香
いなりずしと丸天うどんで765円頂きます…ありがとうございました、またどうぞ。
黒井社長
(大したものだ。まさかこんな大衆食堂じみた店で、私の舌を唸らせる味に出会えるとはな。)
黒井社長
(しかし、どう見ても中華料理屋だったがな。それにあの味で何故私以外の客がいなかったのか…)
黒井社長
まあいいだろう。佐竹飯店、か。うどんの名店として覚えておくぞ。
黒井社長
そう言えばジュピター達と打ち合わせがあるのだったな。奴等に会うのも久しぶりだが。
黒井社長
…若い連中だ、食事を取りながらというのもいいだろう。
黒井社長
小洒落た店よりも、ああいうチンケな店が奴等に会うには相応しいかもしれんな…
佐竹美奈子
ただいま、と。ごめんね静香ちゃん、留守番なんかさせて。急なお仕事だったから。
最上静香
いいんですよ。その代わりちょっとうどん作りの練習をさせてもらいましたから。
佐竹美奈子
まあ、今日はお店休みだから好きに使っていいけどね…ん?FAXが来てるや。
佐竹美奈子
お、予約の受付だ!来週の日曜、四名様か。よーし、頑張ろっと。
最上静香
それじゃ、私は帰りますね。
佐竹美奈子
うん、ありがとう。じゃあまた事務所でね!
佐竹美奈子
あれ?何だろ、この765円…?
(台詞数: 37)