最上静香
(………。)
最上静香
(どうしよう…七夕のカササギ、図鑑見ても全然上手く描けない…。)
北沢志保
(………。)
北沢志保
(困った…七夕飾りの折り紙細工がこんなに難しいなんて…。)
北沢志保
………。
最上静香
………。
北沢志保
…何か用?
最上静香
…そっちこそどうしたの?こっちジーッと見て。
北沢志保
貴方が私のことじろじろ見てるからじゃない。
最上静香
はぁ…卵が先か鶏が先か、みたいな問答になりそうね。
北沢志保
察しが良くて助かるわ。じゃ、私、作業に集中したいから邪魔しないで。
最上静香
全く…。はいはい、分かりました。
北沢志保
………。
北沢志保
(…駄目ね、順序は分かるのに、いざ実行に移すと…くそっ。)
最上静香
(あーもうっ、描けば描くほどドツボにはまる…何で脚が四本になるのよ私っ!!)
北沢志保
(あっちの笹…あそこに完成品があれば参考にするしかないわね…。)
最上静香
(本物を見ながらで駄目なら絵をそっくり写すしか…あっちの笹に掛かってるかしら。)
北沢志保
(…あれ、あそこにいるのは…育ちゃん?あんなに歩いて回って何を…?)
最上静香
(皆に…仕事の手伝いをお願いしてる?あの子にしては意外ね…。)
最上静香
(「わたし一人じゃたいへんだからおねがい!」……か…ふふっ♪)
北沢志保
(何があったか知らないけど…素直にきちんとお願いして立派じゃない。)
北沢志保
……なに私と同じ方見てるのよ。しかもにやにやして。
最上静香
う、うるさいわね…どこを見ようと私の勝手でしょう?
最上静香
………。
北沢志保
………。
北沢志保
あの、ちょっと
最上静香
あの、ちょっと教えてほしいんだけど。
北沢志保
……何?まさか静香、カササギの一羽も描けないとか?
最上静香
なっ…志保の方こそ!まさか折り紙もまともに折れないんじゃないでしょうね?
北沢志保
はあ…描けないのね。ほら、ちょっと貸して。
最上静香
そっちも。作れないんでしょ、折り紙貸して頂戴。
北沢志保
うっ、わ、分かった…。……ほら、出来たわよ。
最上静香
早っ!?…しかも結構上手いし可愛い…。
北沢志保
結構は余計よ…って、静香も手際良いのね。意外と。
最上静香
そっちも一言余計。七夕飾りは毎年…家族ですすんでやってたから一応はね。
最上静香
はい、吹流しと紙衣、出来上がったわよ。
北沢志保
…一応、礼は言っておく。……ありがとう。
最上静香
……こちらこそ、その…ありがとう、ございます……。
北沢志保
……ほ、ほら、短冊と一緒に掛けに行くわよ。
最上静香
あっ、ちょっと待ってよ志保!私まだ短冊書いてないのに…もう。
最上静香
…「もっと自分に、相手に、素直になれます」…よう、に……
最上静香
ってぇ!!そんなの本人の前で書けないわよ!ええい、とりあえず何か書かなきゃ…ん~…。
北沢志保
何一人漫才やってるんだか…私、先に行くわよ。
北沢志保
………。
北沢志保
「もっと自分に、相手に、素直になれますように。 志保」
(台詞数: 45)