最上静香
どうしてですか!?こんなにもお願いしているのに
最上静香
もういいです!!私ひとりでもやりますから
北沢志保
きゃっ
最上静香
志保……ごめんなさい。よく前を見ていなかったわ
北沢志保
いいわ。気にしないで
北沢志保
ちょうどよかった。静香に聞きたいことがあったのよ
最上静香
なに?
北沢志保
残された時間がほんのわずかで、無力なまま全てを失う人間ってどんな気持ちなの
最上静香
喧嘩を売っているのかしら?それとも、私を嘲笑いにきたの?
北沢志保
違うわ
北沢志保
今度演技をすることになったの。1ヶ月で全ての記憶と経験を失う女の子を
最上静香
演技の話なのね
北沢志保
少しでも生の感情に触れたくて、静香に聞くのが最適だと思ったわ
最上静香
私の気持ち……そうね
最上静香
清々しい気持ちよ
最上静香
明日アイドルとしての自分が終わるのだとしても、変わらずお仕事に行くのでしょうね
北沢志保
とても今のあなたは清々しくは見えないけど。どうなの
最上静香
言われてみれば
最上静香
どうして私はこんなにも苛立っているのかしらね
北沢志保
静香の苛立ちの正体、言い当ててあげましょうか?
最上静香
え?
北沢志保
今のあなたは、トップアイドルになれるかということには焦ってないわ
北沢志保
プロデューサーさんが自分を理解してくれているのか、自分に気持ちが向いているのか
北沢志保
ただそれだけが気になってしょうがないのよ
北沢志保
だから少しのすれ違いでそこまで苛立っているんでしょ
最上静香
そんなことは
最上静香
……ないはずよ
北沢志保
静香の根底にある気持ち、それは……
最上静香
言わないで!!
最上静香
それを認めてしまったら、決心が揺らぐ。もう私は進めなくなる
北沢志保
あなたはそれでいいの?
北沢志保
自分にウソをついたままで
最上静香
私はアイドルよ
最上静香
アイドルはみんなの幸せを想うの♪
北沢志保
話にならない……あなたに聞いた私が馬鹿だったわ
北沢志保
さようなら
最上静香
……
最上静香
…………
最上静香
………………
最上静香
(いいわけないじゃない…………志保の……バカ)
最上静香
(そして……ありがとう。私のために怒ってくれて)
最上静香
(でも、やっぱり私はアイドルなんだわ)
最上静香
(あの人は眩し過ぎて、私の目がくらんでしまう)
最上静香
(だから、前だけ見て歩き続けるわ)
最上静香
(ごめんなさい)
最上静香
(いきましょう)
(台詞数: 46)