最上静香
あの、莉緒さんのお父さんは…ご両親は、なにも言わなかったんですか?
百瀬莉緒
?
最上静香
その…莉緒さんがアイドルをやるって決めた時に…
百瀬莉緒
そうね…特には。そうだ、父さんが一言だけ…
百瀬莉緒
「それで後悔しても自分達は知らないよって、後悔しても私の責任だって」…。
百瀬莉緒
父さんはあれこれ言わないけど、どう思ってるかは、態度をみてりゃだいたいわかるのよね。
最上静香
どう思ってたんでしょうか?
百瀬莉緒
「好きに生きろ!…但し自分で。」ってとこかしら?
最上静香
…
百瀬莉緒
まあ、実際はあたしが困った事になったら、まっさきに父さんが右往左往するんだと思うのだけど…
最上静香
…いいご両親ですよね…。
百瀬莉緒
まあね、ありふれたどこにでもいそうな家族だけどね。
最上静香
…いいですね、莉緒さんは自由で…好きな様に生きて…。
百瀬莉緒
(何気ない一言だったが…ふとした疑問が私の心にさざ波をたてた…意表を衝かれた様に…)
百瀬莉緒
(私は自由に生きてきたのだろうか?たしかに今は自由に暮らしてはいる…)
百瀬莉緒
(そして、あの日の疑問が蘇る…)
百瀬莉緒
(私はどうして彼女に…性格もなにもかも違う彼女に…)
百瀬莉緒
(私はいったいどうして、最上静香に自分を重ねてしまうのだろう?)
百瀬莉緒
(その答えが、彼女の何気ない問いかけで導かれようとしている。そして…)
百瀬莉緒
(プロデューサーくん…こういう事なの?)
百瀬莉緒
(彼は言った…静香を導いてもらえないか?…)
百瀬莉緒
(躊躇うあたしにこうも言った…私にならわかる…)
百瀬莉緒
(そうなのか?そういうことなのか?)
百瀬莉緒
(私と最上静香は似ている…いや、正確には…)
百瀬莉緒
(今の彼女は、かつての私に似ている…)
百瀬莉緒
(…そう、それは、見た目や仕草、性格などではない。)
百瀬莉緒
(人生の歩き方?と言えばいいのだろうか?または…)
百瀬莉緒
(時代の海を渡る旅の仕方と言うのだろうか?)
百瀬莉緒
(そうだ、彼女もかつての私も未熟な旅行者なのだ!)
百瀬莉緒
(私は地図を持たずに旅に出てしまい…)
百瀬莉緒
(最上静香の地図には、彼女が行きたいと願う目的地が記されていないのだ!)
百瀬莉緒
(私は当然の如く道に迷ったが、幸か不幸か大胆な進路変更でその危機を乗り越えた。)
百瀬莉緒
(そして…彼女は…)
最上静香
…おさん、莉緒さん…どうかしました?
百瀬莉緒
えっと、あら…ごめんなさい…。
最上静香
…。
百瀬莉緒
ねぇ、最上さんひとつ聴きたいのだけど…
最上静香
な、なんですか?
百瀬莉緒
(はたして…私は彼女を…)
百瀬莉緒
最上さん…貴女、あなたのお父さんとちゃんと話しをしているのかしら?
最上静香
ち、父とですか?
百瀬莉緒
そう、貴女…なにやらお父さんと約束をしているのでしょう?
百瀬莉緒
その事について…貴女のこれからについて…
百瀬莉緒
真剣に話しをしてる?
最上静香
そ、そんな事…
百瀬莉緒
大事な事だからキチンと答えて欲しいの!
最上静香
…つづく…
(台詞数: 47)