最上静香
《百合子。こんなところにいたのね》
七尾百合子
《……》
最上静香
《志保に贈るプレゼントなんだけどね。絵本がいいんじゃないかと思うの》
七尾百合子
《……》
最上静香
《百合子……。聞いてるの?》
七尾百合子
《ごめん。プレゼントを……志保にだっけ》
最上静香
《そうよ。志保ってどんな絵本を贈れば喜んでくれるのかしらね》
七尾百合子
《静香ちゃんさあ、とりあえず本のことなら私に聞いておけばいいやって思ってない》
最上静香
《そういうところは…………あるわね》
最上静香
《でも、せっかくプレゼントするんだから、少しでも喜んでほしいじゃない》
最上静香
《その為には、私よりも本に詳しい人の意見が聞きたいの》
七尾百合子
《わかった。私なりに見繕ってみるから、ちょっと待ってて》
最上静香
《お願いね♪》
七尾百合子
《……》
七尾百合子
《…………》
七尾百合子
《………………》
七尾百合子
《…………》
七尾百合子
《……》
七尾百合子
《よしっ!これなんていいんじゃないかな》
最上静香
《『グーテンベルクの不思議な機械』?どんなお話なの》
七尾百合子
《ネタバレ避ける程度に話すと、活版印刷の話かな》
最上静香
《それ、面白いの……》
七尾百合子
《どうだろう。人によるとしか》
最上静香
《そうね。ごめんなさい。私から聞いておいて短慮だったわ》
最上静香
《百合子が選んだ絵本、買ってみるわ。相談に乗ってくれてありがとう♪》
七尾百合子
《書籍コードも書いておくね。店頭でこれを告げればすぐ用意してくれるから》
最上静香
《助かるわ》
七尾百合子
《……静香ちゃんは、志保が絵本好きな理由、考えたことある?》
最上静香
《え?……弟さんに読み聞かせるためとかじゃないの》
七尾百合子
《ああ、うん。ごめん。変なこと聞いちゃったね。今の質問は忘れて》
最上静香
《そう……》
最上静香
《とにかく今日はありがとう。本屋さんに行ってみるわ》
最上静香
《……》
最上静香
《…………》
最上静香
(…………)
最上静香
(……)
最上静香
今日くらいは素直に、私に祝われてくれてもいいんじゃない?
最上静香
……志保、お誕生日おめでとう!これ、受け取ってよね!
北沢志保
こ、これ……
北沢志保
(百合子さんね)
北沢志保
私がずっと探してた絵本……。知ってたのね、静香……
北沢志保
……ありがとう。大切にするから
(台詞数: 42)