最上静香
おはようございます。小鳥さん
音無小鳥
おはよう静香ちゃん。
音無小鳥
そうそう。静香ちゃんに見てほしいものがあるの
最上静香
なんですか
音無小鳥
ファンレターのようなものかしら。少し変な感じの
音無小鳥
あたしから言っておいてなんだけど、アレならシュレッダーにかけておくわよ
最上静香
そんなに酷い内容なんですか?
音無小鳥
不幸の手紙とかカミソリが入ってるとかではないのよ。むしろ『好きです』って書いてあるわ
最上静香
見せてください。私へ向けられた言葉には、全て目を通しておきたいんです
音無小鳥
そう。じゃあ、これね
最上静香
(ペラ)
最上静香
『静香ちゃんこんばんは。ファンレターどころかお手紙も書かない私ですが』
最上静香
『この度は筆を執ってみました。ただの気まぐれです』
最上静香
『言葉というものはいつも曖昧で信用ならないものです。好きだの愛してるだの云ったところで』
最上静香
『その人の本心は別の所にあるかもしれません』
最上静香
『実際に私が、静香ちゃんを生涯応援し続けると云ったとして』
最上静香
『次の年か、その次の年には新たにデビューした若い娘さんを応援していそうです』
最上静香
『ですから、私の言葉の全てを真に受けないでほしいのです。では本題』
最上静香
『私は静香ちゃんの顔が好きです、声が好きです、性格が好きです、身体が好きです』
最上静香
『静香ちゃんの全てがほしい、愛しています。一緒にいたい』
最上静香
『《あなたの分身に捧ぐ》場所でお待ちしています』
最上静香
『本題終了』
最上静香
『ラブレターかよ!ってね。いつだったか、静香ちゃんは自分が嫌いと云っていましたが』
最上静香
『私は手書きするのが嫌いです。だって字、汚いんだもん』
最上静香
『ただ、好きの反対は無関心らしいので、嫌いと云っているうちは望みがあるのでしょうね』
最上静香
『私が今回に限って手書きしようと思ったのは、そういう想いがあるのかもしれません』
最上静香
確かにおかしな手紙ですね
音無小鳥
でしょう。好きと言いながら本気にするなって訳がわからないわよね
最上静香
それもありますけど、待っていると書いておきながら連絡先も住所もありません
音無小鳥
これって……
最上静香
謎かけですよね
最上静香
こういう謎解きは百合子が得意そうだけど
七尾百合子
ふっふっふ。私の力が必要なのかな、静香ちゃん
最上静香
百合子……。聞いていたのね
七尾百合子
謎の匂いがプンプンするから、居ても立っても居られなくなってね♪
最上静香
百合子には悪いけど、これは私が気づかなくちゃいけない気がするの
七尾百合子
どうして?
最上静香
一見イタズラのようにも見えるし、表現方法も不実に感じるわ
最上静香
でも、いつ何処でかはわからないけど、この手紙を出した人は待っているわ
最上静香
いいえ。待ち続けているのかもしれない
最上静香
それにね。確証は無いのだけど、私を好きという言葉に、嘘は無い気がするの
最上静香
だから、百合子に丸投げするわけにはいかないわ
七尾百合子
静香ちゃんって、意外とロマンチストなんだね
七尾百合子
いいよ。静香ちゃんにその謎は預ける
七尾百合子
けど、少しくらいヒントはいいよね
七尾百合子
『全てを真に受けない』ことと、改行してる場所に注目してみて
最上静香
ありがとう百合子。私なりにこの人と向き合ってみるわ
最上静香
もし会えたら、文句のひとつでも言ってあげるんだから
最上静香
ファンレターありがとうってね♪
(台詞数: 49)