伊吹翼
すごい...ここがホントに事務所のフロアなんだ...
伊吹翼
(高層ビルのエレベーターに乗り、大きいエントランスホールにわたしはいた)
伊吹翼
(事務所やシアターの楽屋よりも広くて、モデルルームみたいなフロア。)
伊吹翼
...うちの事務所も、これくらい広くてキレイならいいのになぁ...
伊吹翼
暁「だよねぇ...みんな活躍してるから、裏方も増やして欲しいくらいだけど...」
伊吹翼
暁「っと...そんな小言はとにかく...そろそろ探しに行かなきゃ!!」
伊吹翼
あ...いってらっしゃい...。
伊吹翼
(プロデューサーさんはわたしから離れていっちゃう...商談の相手を探しに行くみたい...)
伊吹翼
...プロデューサーさんのジャマにならないように、どこかに座ってよ。
伊吹翼
(とりあえず近くにあったエントランスのイスに座る...はぁ...)
伊吹翼
(プロデューサーさん...一体どんなお仕事を取ってきたんだろ...)
伊吹翼
(大きい仕事なんだったら...不安だから、もっと近くにいてほしいのに...)
黒井社長
?「君...そこに相席させてもらっても大丈夫かい?」
伊吹翼
(声をかけてきたのはプロデューサーさんよりも少し大人の人...)
伊吹翼
(アッシュカラーのショートヘアに、青い目...顔つきからすると外人っぽい)
黒井社長
?「はは、珍しいかい? 結構、女の子からはウケがいいんだけどさ!」
伊吹翼
(そういうと、男の人はわたしの前に座った...なんていうか...強引な人だなぁ...)
黒井社長
?「伊吹翼さん...だよね? 君の話はよく耳に入って来るんだ。」
黒井社長
?「『765プロの超大型新人! あの星井美希の再来!』なんて、言われてるみたいだね。」
伊吹翼
(へぇ...わたしってそんな風に呼ばれてたんだね...予想以上に有名なんだ...)
黒井社長
?「でもさ...たまにこういうキャッチコピーあるじゃん? 俺、スッゴく嫌いでさ...」
黒井社長
?「そもそも星井美希はまだ現役だし、星井美希は一人しかいねえっつーの。」
黒井社長
?「君だって嫌でしょ、星井美希ってカテゴリーで括られるの...俺はもちろん嫌だよ?」
伊吹翼
(...このお兄さん、今までのどんな大人の人よりも、理解がある...)
伊吹翼
(わたしの友達も、先生も、周りの人も...みんなわたしに言う)
伊吹翼
(『翼って美希ちゃんになりたいの?』って...そうじゃないんだけどな...)
伊吹翼
(もちろん、美希センパイみたいに、カッコよくて、カワイくて、モテモテにはなりたい)
伊吹翼
(だけど、美希センパイになりたいか...って言われると、ビミョーなところ。)
黒井社長
?「おっと、しゃべり過ぎちゃったよ。 ...実はこれは弟から言われた言葉でさ。」
黒井社長
?「『僕は貴方じゃない。 僕は僕のやり方で貴方を越える』って言われたんだ」
伊吹翼
へぇ...お兄さんって弟さんがいたんですか...なんか意外かも...
黒井社長
?「はは、よく言われる! 君より4歳くらい上なんだけど、俺よりしっかり者で!」
伊吹翼
(4歳上って言ったら...お兄ちゃんかプロデューサーさんくらいの年なのかな?)
伊吹翼
(そう思ってると、後ろから駆け足でプロデューサーさんが走って来た...!)
伊吹翼
暁「はあっ...はあっ...遅くなってごめん...」
伊吹翼
暁「はあっ...はあっ...遅くなってごめん...『兄さん』!!」
黒井社長
?「待ちわびたぜ、弟よ...その様子だと元気そうじゃないか!!」
伊吹翼
(...『兄さん』?...ってことはこの人は...?)
伊吹翼
プロデューサーさんの...
伊吹翼
プロデューサーさんの...お兄さん!?
(台詞数: 40)