伊吹翼
プロデューサーさん...大丈夫かなぁ...
伊吹翼
(ドラマ撮影を途中で抜け出したわたし達は事務所に呼び出しをされていた。)
伊吹翼
(そしてプロデューサーさんは社長室に入っちゃって...お説教されてるのかなぁ...)
馬場このみ
翼ちゃん、お疲れ様。 ...莉緒ちゃんからお話は聞いたわ。
伊吹翼
このみさん...お疲れ様です...
馬場このみ
...はい、とりあえずこれでも飲んで。...ココアなら翼ちゃんも飲めるでしょ?
伊吹翼
(このみさんが持ってきてくれた温かいココアを飲む...とても甘い味がする)
馬場このみ
...大変だったわね。 結構大きいアクシデントとかあったみたいでね...
伊吹翼
...やっぱりわたしのせいなんですか? わたしが触られた時、イヤな顔をしたから...
馬場このみ
それは絶対に違うわ。 ...悪いのはその監督、翼ちゃんが気に病む必要はないのよ。
馬場このみ
...まぁ、こういう事は少なくはないみたいなんだけど...それにしても...ねぇ。
伊吹翼
(そういえばこのみさんも小学生の格好とかさせられてたんだよね...似合ってたけど...)
伊吹翼
暁「...それでは...失礼しました...」
伊吹翼
(社長室から出てきたプロデューサーさん...やっぱり少し悲しい顔してる...)
馬場このみ
お疲れ様、暁くん。 ...よかったら何か飲む?
馬場このみ
暁「お疲れ様です、このみさん...コーヒー、お願い出来ますか?」
馬場このみ
わかったわ...君のそのキツイ顔が晴れるくらい、苦いの淹れてくるわね♪
伊吹翼
暁「...ええ、お願いします。」
伊吹翼
(このみさんすごいなぁ...プロデューサーさんを、あっという間にリラックスさせちゃった)
伊吹翼
暁「...伊吹さんもお疲れ様。 ...今日は色々とゴメンね...」
伊吹翼
い、いえ! わたしだって、プロデューサーさんに迷惑かけちゃったし...
伊吹翼
暁「ううん、突然にしたってあの変態カカシと一緒に仕事させることにしちゃった僕が悪いんだ」
伊吹翼
(そう言うとプロデューサーさんは優しく笑ってくれる...その表情はヒキョウですよ...)
馬場このみ
はいプロデューサー、コーヒー持ってきたわよ♪
馬場このみ
暁「ありがとうございます...でも苦すぎますよ、これじゃあ。」
馬場このみ
ふふっ、その方が頭が冴えるでしょ? ...頑張ってね。
伊吹翼
(...なんか...オトナの会話ってカンジがする...わたしだけ置いてきぼりになってるし)
伊吹翼
暁「...さて、そろそろ伊吹さんと話をしないと...伊吹さん?」
伊吹翼
あ...はい...。 なんですかプロデューサーさん?
伊吹翼
暁「今回の件も兼ねて言っておくけど...『私のせい』なんてもう言わないでね。」
伊吹翼
暁「君は何も悪くないし...君がそういう子じゃないっていうのは僕が一番理解してる。」
伊吹翼
暁「だから自分を責めないでね。 ...僕も悲しくなるからさ。」
伊吹翼
(プロデューサーさんは優しく肩に手を置いて、やわらかく笑ってくれた。)
伊吹翼
(少しだけ...体が暑くなって、心が温かくなったのは...ココアのせいじゃないよね?)
(台詞数: 34)