探偵カップ 本予選
BGM
TOWN_RMX
脚本家
Կիշիրա
投稿日時
2017-05-19 03:27:12

脚本家コメント
「て言うか本選か予選かどっちなんですか」

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七尾百合子
大会の運営委員会のメンバーが変わった?
伊吹翼
そ、何があったかは別に興味ないけど。大規模に変わるのは久しぶりらしいよ。
七尾百合子
でも、それと本予選の試合内容とどう関係があるんですか?
伊吹翼
そりゃあ関係大ありでしょ。それさえ知ってれば、もう決まったようなもんだって。
伊吹翼
何十年と続いてるこの大会、もちろん委員会の人間だって何回も変わってるけど。
七尾百合子
何十年と続いてたんですか?
伊吹翼
大勢が入れ替わって最初の大会は、だいたい前のと同じなんだよ。
七尾百合子
……
七尾百合子
……え、それだけですか?
伊吹翼
いやそれだけじゃないけど、根拠の大元はそんなところ。
伊吹翼
まあ、こんなの分かったからって何ってわけでもないけどね。
七尾百合子
はあ……なんだか推理と言うには無粋過ぎる。
七尾百合子
それにしてもさっきからやけにフレンドリーに話してくるこの人は一体何者なんだろう。
伊吹翼
何か言った?
七尾百合子
ただのうわ言です。それにしても、私たちは面白そうな課題に当たって良かったですね!
伊吹翼
……こう言うの、得意なんだ。
七尾百合子
う、得意かと聞かれるとそうでもないですけど。密室からの脱出ってそそりません?
伊吹翼
探偵にとって密室は脱出するものじゃないでしょ。
伊吹翼
ねえ、密室ってどう言うことだと思う?
七尾百合子
解けっていうことでしょう? 少なくとも私達にとっては。
伊吹翼
……ふうん。
伊吹翼
あのさ、取り引きしない?
七尾百合子
え、なんですかいきなり。
伊吹翼
あなた、これ初めてなんでしょう? 色々教えてあげる。その代わり……
伊吹翼
私をここから出してくれない?
七尾百合子
……
七尾百合子
……え、自分で出たらいいじゃないですか。
伊吹翼
こう言うの苦手なの。
七尾百合子
いや、別にそれは良いんですけど、逆にそちら的にまずいんじゃ。点数なくなっちゃいますよ?
伊吹翼
それは大丈夫。この次は任せてくれて良いから。
七尾百合子
この次……え、予選ってこれで終わりじゃないんですか?
伊吹翼
本予選ね、あと1つか2つくらいはこんなのが続くよ。最初の関門はだいたい私に向いてないの。
七尾百合子
もしかして、この本予選というのは他校とチームを組む事がセオリーなんですか?
伊吹翼
絶対ってわけじゃないけど、その方が楽でしょ。
伊吹翼
もしあなたがこの謎を一人で解けたら、多分それだけで勝ち抜けるはず。
七尾百合子
はあ、だいたい分かりました。じゃあ出ましょうか。
伊吹翼
……出ましょうかって。もう分かったの?
七尾百合子
いやまだ何も試してませんし。予想しかつけられてませんけど。
伊吹翼
……ふうん。でも一応言っとくけど、私達がこの密室にいるって言うことは……
伊吹翼
実際、この密室から出られなかった人がいたって事だよ。
七尾百合子
その人もあなたも、常識にとらわれてただ見えなくなっているだけなんですよ。あるはずの出口を。
伊吹翼
出口? もしかして窓のことを言ってる? ルールはちゃんと読んだ?
伊吹翼
あの窓はたとえ登れたとしても脱出に使ってはならない。そして扉の鍵も壊してはならない。
伊吹翼
常識非常識の問題じゃなくて、私達はこの密室の中で密室の常識にとらわれている。
伊吹翼
唯一の出口である扉に鍵がかかってるってことは、この課題は鍵を探すっていうことなんでしょ?
七尾百合子
鍵なんてものはありませんよ。と言うか、探して見つかるものは謎にはなり得ません。
七尾百合子
無いものは探せません。逆にあるものを見なければ見つけられません。
七尾百合子
あの扉は本当に唯一の出口ですか? 他に出口は無いとルールに書いてありましたか?
伊吹翼
……ふうん。
伊吹翼
……ふうん。なかなか。

(台詞数: 50)