黒井社長
P「さて、今日のスケジュールは、と……。」
伊吹翼
プロデューサーさん! おはようございま〜す!
黒井社長
P「ああ、おはよう翼。……って、どうしたんだ、その格好?」
伊吹翼
初めまして!765プロダクションの新人プロデューサー、伊吹翼です! よろしくお願いします!
黒井社長
P「……ん? あ、ああ、どうも。」
黒井社長
P「……というか、いきなりどうしたんだ? 名刺なんか渡してきて。」
伊吹翼
この前、1日新入社員イベントありましたよね? その時に色々な人に名刺を渡したので……、
伊吹翼
本家本元のプロデューサーさんにもこうやって渡してみようかな〜、なんて。
黒井社長
P「……その割にはえらく本格的だな。劇場にあったスーツまで引っ張ってきて……。」
伊吹翼
こういうのって雰囲気とか大事じゃないですか。だから服装も勝手に揃えちゃいました!
伊吹翼
どうですか? プロデューサーさん! わたし、ちゃんと名刺渡せてました?
黒井社長
P「姿勢は俺の見よう見まねだから文句はないな。ただ……、」
黒井社長
P「名前の部分が右手の親指で隠れていたのが気になったかな。もう少し浅く持った方がいいぞ。」
伊吹翼
なるほど……。名刺一つ渡す時にも、細かい所まで気をつけなくちゃいけないんですね……。
黒井社長
P「名刺は自分自身の、そして会社組織の“顔”でもあるからな。」
黒井社長
P「渡し方一つで第一印象が決まると言っても過言ではない。それくらい大事なことだ。」
伊吹翼
へえ、そうなんですか……。色々と勉強になりました!
黒井社長
P「まあ、翼が将来的にプロデューサーとかになるとしたら、必要な技術になるかもな。」
黒井社長
P「……? それより翼、お前その顔……。」
伊吹翼
あっ、気づきました? じゃーん! バッチリメイクしてきました!
黒井社長
P「……それもスーツと同様、雰囲気作りの一環なのか?」
伊吹翼
その通りです♪ どうですか? わたしのメイク!
黒井社長
P「うーん……どうと言われても、俺は化粧には縁がなかったから何とも……。」
伊吹翼
むー……。素直に“かわいい”とか“きれいだ”とか言ってくれないんですか?
黒井社長
P「そ、そうだな……普段のかわいい感じとうって変わって、綺麗だよ。」
伊吹翼
きれいって言ってくれたのは嬉しいけど、何か取って付けたような感じ……。
黒井社長
P「ごめんな、どうしても感想を聞かれたら色々考え込むクセが出てしまって……。」
伊吹翼
(……………)
伊吹翼
(…………… ♪ )
伊吹翼
プロデューサーさん、お願いがあるんですけど……わたしのメイク、崩れてないか見てくれますか?
黒井社長
P「あ、ああ……。……特に崩れてる部分は見当たらないな。」
伊吹翼
本当ですか? ……だったらもっと間近から見て確かめてください。
黒井社長
P「もっと間近から……!? えっと、このくらいか? さすがにこれ以上は……。」
伊吹翼
それくらいでいいですよ♪ どうですか?
黒井社長
P「……特に崩れてる部分はないな。しっかりメイク出来てるよ。」
黒井社長
P (……というか、顔近い……。距離からすると、20cmくらい? そろそろ離れて……。)
伊吹翼
……………
伊吹翼
……………チュ♪
黒井社長
P「んむっ……!? な、翼……お前……!?」
伊吹翼
スキだらけでしたよ、プロデューサーさん♪ わたしのファースト、あげちゃいました♪
伊吹翼
プロデューサーさん、顔真っ赤ですよ♪ ……もしかしてプロデューサーさんも初めてなんですか?
黒井社長
P「ぐ……、確かにそうだけど……そういうのは一番大事な人にだな……!」
伊吹翼
……………。
伊吹翼
……………プロデューサーさんって、案外ニブいところもあるんですね……。
黒井社長
P「……? それはどういう……?」
伊吹翼
ふふっ、もしかしたら、2年後くらいには分かるかもしれないですね〜。
伊吹翼
それより、今のでリップが崩れちゃいましたね。ちょっと直してきます♪
伊吹翼
(……………。)
伊吹翼
(ちょっと大胆だったかもしれないけど……わたしの気持ち、少しは届いたかな?)
伊吹翼
(いつの日か、わたしの本当の気持ちに気付いてくれると信じてますよ。プロデューサーさん♪)
(台詞数: 50)