北沢志保
…何言ってるのよ、冗談じゃないわ。プロデューサーさんの事なんて、大嫌いよ!
伊吹翼
志保ちゃん、後ろ…
北沢志保
え、何よ…あ。帰ってたんですね、お疲れ様です…
北沢志保
えっとですね、その…
北沢志保
し、失礼しました!
伊吹翼
あっ、待ってよ!?
北沢志保
はあ、どうしよう…あら?
高木社長
おや、北沢君か。
北沢志保
お疲れ様です。どうしてこちらに?
高木社長
喫煙室がわりだよ。少々寒いがアイドル達の前で吸うわけにもいかないからね。
北沢志保
そうですか。でしたら外した方がいいですよね?
高木社長
今すぐ吸わないといけないわけじゃなし、構わないよ。それより随分賑やかだったね?
北沢志保
あ、聞こえてましたか。すみません、事務所でいつも騒いでしまって。
高木社長
事務所が明るいのはいい事だよ、気にしなくていい。けどまた思い切った事を言ったものだね?
北沢志保
あ、あれは翼が冷やかすものですからつい。その、売り言葉に買い言葉といいますか…
高木社長
だろうね。まあキミくらいの年齢なら素直になれないのも仕方がない。
高木社長
しかし、キミもここに来て随分成長出来たじゃないか。
北沢志保
え?
高木社長
キミは入った頃からレッスンや仕事に対して非常に熱心だった、それは間違いない。
高木社長
一方で、他人とコミュニケーションを苦手、というよりそれをしたくないように見えた。違うかい?
北沢志保
それは、まあ。あまり皆には興味がなかったですし、そういうのが煩わしく思えたのは確かですね。
高木社長
今はどうかな。やはり皆と話をしたりするのは面倒だったり、無駄に思えるかい?
北沢志保
…いいえ。こういうのも楽しいかなって。
高木社長
他人に興味を持つのも人間として大切な事だよ。それだけキミも成長出来たということさ。
高木社長
入った頃のキミだったら、プロデューサー君の事なんて嫌いだとさえ思わなかっただろう?
北沢志保
そうだと思います。でも、やっぱりあんな失礼な発言は…
高木社長
私がキミの変化に気付くぐらいだ、彼ならとっくに分かっているだろう。
高木社長
だからキミがつい、照れ隠しにあんな事を言ってしまったというのもね。
北沢志保
そうだと、いいですけど…
高木社長
大丈夫だよ、彼はキミ達が思っている程鈍くはない。案外キミの気持ちにも気付いているかもだよ?
北沢志保
なな、何の話ですかそれ?
高木社長
はは。まあ事務所的にはスキャンダルは困るんだがね、こういうのを抑えるのは難しいものだし…
伊吹翼
あ、志保ちゃん。ここにいたんだ。
北沢志保
あ、翼。
伊吹翼
ごめんなさい、さっきの事。私が志保ちゃんをからかったせいでプロデューサーさんに…
伊吹翼
プロデューサーさん、怒ったりショック受けてたりはしてないから。フォローもしといたよ?
北沢志保
そう。まあいいわ、許してあげる。でもあんまり人をからかわないでよね、いい?
伊吹翼
うん、ありがとう。ほんとにごめんね?
北沢志保
ええ。ところでフォローって、プロデューサーさんに何言ったの?
伊吹翼
え?そりゃ志保ちゃんはほんとはプロデューサーさんの事が大好きなんですからって。
北沢志保
…え?
伊吹翼
素直になれなくてあんな事言ってたけど、プロデューサーさんの写真も持ってますし、
伊吹翼
その点でも私達はライバルなんですよって。だから、プロデューサーさんも分かってくれて…
北沢志保
…
北沢志保
翼なんて大っ嫌い!
伊吹翼
え、え?どうしたの急に?
高木社長
やれやれ。伊吹君はもう少し、こういう部分を成長しないといけないだろうね…
(台詞数: 47)