真夜中の翼
BGM
TOWN_RMX
脚本家
ヒデ
投稿日時
2015-09-28 11:43:43

脚本家コメント
タイトルからストーリーを考えよう第34弾
今回は「妖魔夜行 真夜中の翼」(ラノベ)より。
背景は墓地だと脳内変換して下さい。
毎回思うけどセリフ数50じゃ足りないよ…

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田中琴葉
私は翼ちゃんの後をつけていた。
田中琴葉
最近翼ちゃんの帰りが遅い、時には朝帰りの時もある、と彼女のご両親に相談されたのだ。
田中琴葉
翼ちゃんの中学では複数の生徒が行方不明になる事件が起きているから余計心配なのだろう。
田中琴葉
普段からプロデューサーにべったりな彼女に彼氏が出来たとも思えないし…
田中琴葉
なので彼女を尾行して様子を見ることにしたのだ。事務所を出た彼女はそのまま駅に。
田中琴葉
ただ、彼女の家とはまったく違う方向の電車に乗った。
田中琴葉
どこかに寄り道でもするのだろうか?とりあえずついて行く。こちらには気づいていないようだ。
田中琴葉
電車は長い時間走り終点の駅についた。
田中琴葉
人気の無い無人駅を出ると辺りは真っ暗闇。
田中琴葉
翼ちゃんは迷いのない足取りで歩いて行く。
田中琴葉
遮蔽物が少ない道を気づかれないように尾行を続ける。
田中琴葉
どれくらい歩いただろうか…まばらだった民家もほとんど無くなった。
田中琴葉
わずかにある街路灯が照らす暗い道を彼女は進む。
田中琴葉
道は山に向かっているようだ。
田中琴葉
やがて…
田中琴葉
「何これ…お墓?かなり古いみたいだけど…」
田中琴葉
翼ちゃんの目的地は古い墓地のようだった。墓石も朽ちているものが多い。
田中琴葉
その中でもひと際大きいお墓の前にしゃがんで何やら話しかけているようだ。
田中琴葉
「ご親戚のお墓かしら…
田中琴葉
「ご親戚のお墓かしら…でもこんな深夜に?」
田中琴葉
時計を見ると既に日付が変わっていた。
田中琴葉
それにしても何を話しているのだろう?距離があるので内容はわからない。
田中琴葉
もう少し近づこうと一歩踏み出す。
田中琴葉
「パキッ!」
田中琴葉
枯れ枝でも踏んでしまったのだろう。足元から乾いた音がした。
田中琴葉
「しまった…」
田中琴葉
慌てて彼女に視線を向けると…
田中琴葉
彼女と目が合った。その顔は笑顔だった。
田中琴葉
いつも見る笑顔に思えた…
田中琴葉
いつも見る笑顔に思えた…ギラギラした猟奇的な瞳をしていなければ。
伊吹翼
「あれ〜、琴葉さん。どうしたんですか〜。こんなとこで?」
田中琴葉
「…それはこっちのセリフよ。こんな時間にこんな場所で。ご家族が心配してるわよ」
伊吹翼
「見て分かりませんか〜。わたしはこの人達の話相手をしてるだけですよ〜」
田中琴葉
「話相手?」
伊吹翼
「無縁仏って知ってます?この人達、親戚からも見捨てられて寂しかったそうですよ」
田中琴葉
「…何を言ってるの?」
伊吹翼
「この前、学校の遠足でこの辺りに来た時道に迷っちゃって…その時見つけたんですよ〜」
伊吹翼
「最初はグループのみんなで話相手になってあげてたんですけど…段々みんな動かなくなって…」
伊吹翼
「だから琴葉さんもこの人達の話相手になってくれませんか〜?だめぇ?」
田中琴葉
「だ、駄目よ!学校も仕事もあるのに…」
伊吹翼
「夜だけでいいんですよ〜。もうわたししかいないんですよ〜」
田中琴葉
「グループって言っていたけど…他の子は…?」
伊吹翼
「琴葉さんの足元にいるじゃないですか〜」
田中琴葉
「私の足元なんて…枯れ枝があるくらいで…きゃあぁぁぁ」
田中琴葉
足元の枯れ枝と思ったものは人間の腕だった…骨と皮だけになった…
田中琴葉
私は走りだした。一刻も早くここから逃げないと危険だと思ったからだ。
田中琴葉
あの腕は行方不明になった生徒だろう…おそらくまだ他にも…
田中琴葉
「ハア、ハア…随分走った…ここまで来ればひとまず安心ね…」
伊吹翼
「おかえりなさい。待ってたよ」
田中琴葉
「え…ここって…さっきの…い、嫌ぁぁぁー‼︎」

(台詞数: 50)