伊吹翼
今日の私、どうでした?プロデューサーさん。
伊吹翼
大人っぽく見えました?見えました?
伊吹翼
……見えた?やった〜!
伊吹翼
ねぇねぇプロデューサーさん、私に惚れました?
伊吹翼
……
伊吹翼
………
伊吹翼
…………
伊吹翼
…………やっぱり、その辺は誤魔化すんですね。
伊吹翼
え?………いえ、何でもないですよ〜。
伊吹翼
………やっぱり、一筋縄じゃいかないな〜。
伊吹翼
ライブの後始末に追われる彼を遠目に見ながら呟く
伊吹翼
本気じゃないって思われてるのかな?
伊吹翼
ある日は雑誌を参考にしてみたり、またある日はドラマを参考にしてみたり
伊吹翼
アプローチを続けてみてはいるが全く効果がない
伊吹翼
………私、これでも結構本気なんですよ?
伊吹翼
それなのに、どうして届かないんですか?通じないんですか?
伊吹翼
私がまだ子供だから?軽そうに見えるから?
伊吹翼
それとも………私が嫌いだから?
伊吹翼
自分でも、らしくないと思う
伊吹翼
たった一人の人に好かれたいだなんて
伊吹翼
それでも、私は………
伊吹翼
………プロデューサーさん?
伊吹翼
後始末がひと段落ついたのか、彼が駆け寄ってきた
伊吹翼
「今日はよく頑張ったな」
伊吹翼
そう言って、彼は私の頭を撫でた
伊吹翼
えへへ、くすぐったい。
伊吹翼
急にどうしたんですか?プロデューサーさん。
伊吹翼
何となく………?え〜、そこは惚れたからって言ってくださいよ〜。
伊吹翼
………えへへっ♪
伊吹翼
私は、彼の腕に抱きついた。予想外の事だったからか、彼は慌てふためいた
伊吹翼
何ですかプロデューサーさん?私、今日はすーっごく頑張ったんですよ?
伊吹翼
これくらいのワガママ、許してくれますよね?
伊吹翼
はいはい、と彼が腕を解くのを諦める
伊吹翼
………これでも、私の想いは伝わらないのだろう
伊吹翼
でも、一つだけ確信した
伊吹翼
彼の目を見て、言葉を聞いて、その手に触れて
伊吹翼
私は、愛されているんだなって
伊吹翼
でもそれは、親が子に与えるような愛情であって、恋人へのものじゃない
伊吹翼
………だけど
伊吹翼
今はそうでも、いつかその愛情も私がもらいますからね。プロデューサーさん♪
伊吹翼
彼には聞こえないように、呟いた
(台詞数: 41)