一人の、普通の女の子
BGM
Snow White
脚本家
kyunpo
投稿日時
2015-01-21 19:33:15

脚本家コメント
引き続き、伊吹翼(18歳)です。前回で二人は恋人となっていますが、前回を見ていなくても特に問題無いと思います。
トップアイドルになり、頂点を極めた翼。アイドルを引退し、普通の女の子に戻る事を決意します。
翼の引退コンサートは大成功。周囲からは惜しむ声が途絶えません。
その引退コンサート後、未来と静香の気遣いにより、プロデューサーと翼は完全に二人きりになることができました。
ゲーム版エンディング風です。しっとり。お付き合いいただければ幸いです。

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伊吹翼
「良い風……。気持ち良いですね……」
伊吹翼
ついさっきまで、会場の熱気に包まれていたから。まだ身体が火照っている。
伊吹翼
わたしの最後のお仕事、引退コンサート。大成功で終える事ができた。
伊吹翼
みんな、凄く楽しんでくれてた……。本当に良かった……。
伊吹翼
『お疲れ様、翼。本当に、よく頑張ったな』……プロデューサーさんの、優しい声。
伊吹翼
「うん。頑張りました。……いっぱい頑張ったよ?」
伊吹翼
「もうこれ以上頑張れないってくらい、頑張りました」
伊吹翼
「だから……ご褒美、ください……。
伊吹翼
「だから……ご褒美、ください……。……ダメ?」
伊吹翼
『おいで』と両手を広げたプロデューサーさん。その腕の中に入り……
伊吹翼
プロデューサーさんに身体を預ける。……抱き締めて、髪を撫でて欲しい。
伊吹翼
「えへへ……♪」
伊吹翼
満たされる。心も身体も。プロデューサーさんの体温と愛情が染み込んでくる。
伊吹翼
わたしは、猫が甘えるみたいに……髪を、顔を、プロデューサーさんに擦り付けた。
伊吹翼
『本当にこれで良かったのか?』と、プロデューサーさんが言った。引退の事だろう。
伊吹翼
「良いんです。アイドルのお仕事は楽しくって、大好きだけど……」
伊吹翼
「もっと大好きで、大切なもの……見つけちゃいましたから……」
伊吹翼
「……
伊吹翼
「……プロデューサーさん」
伊吹翼
「アイドルとしての伊吹翼は、今日で卒業です……」
伊吹翼
「明日から、わたしは普通の女の子。そして……」
伊吹翼
「プロデューサーさんだけの……」
伊吹翼
「あなただけの、
伊吹翼
「あなただけの、伊吹翼ですから……」
伊吹翼
「だから、いっぱい……
伊吹翼
「だから、いっぱい……いっぱいわたしを……」
伊吹翼
「愛してください……」
伊吹翼
……もう一度、キス。
伊吹翼
「……ずっと、お仕事が忙しくて……二人だけの時間、全然過ごせなかったから……」
伊吹翼
「プロデューサーさんと一緒に行きたい場所、やりたい事……」
伊吹翼
「いっぱい、いっぱいあるんです」
伊吹翼
「えへへ……わたしが満足するまで、連れ回しちゃいますからね?」
伊吹翼
『お手柔らかに頼むよ』と困ったように微笑むプロデューサーさん。
伊吹翼
「ええー?どうしよっかなあ………」
伊吹翼
「……ふふっ。
伊吹翼
「……ふふっ。ダーメ♪」
伊吹翼
「せっかく社長が、プロデューサーさんのお休みが増えるように動いてくれるだもん♪」
伊吹翼
「今まで二人で過ごせなかった分、いっぱい楽しまなきゃ!」
伊吹翼
「……
伊吹翼
「……さて、と。そろそろ戻りましょうか?未来と静香ちゃん、待ってるんですよね?」
伊吹翼
「それじゃあ行きましょう!……よーい、どん!」
伊吹翼
プロデューサーさんの手を引き、駆け出した。
伊吹翼
……ふと、どうしても伝えたい事があって立ち止まる。
伊吹翼
プロデューサーさんの方に振り向いたわたしは……
伊吹翼
心からの。本当に……心からの気持ちを伝えた。
伊吹翼
「プロデューサーさん。今までに、何度も何度も伝えてきたけど……」
伊吹翼
「もう一度、伝えさせてください……」
伊吹翼
「プロデューサーさん。
伊吹翼
「プロデューサーさん。……ありがとう。
伊吹翼
「プロデューサーさん。……ありがとう。大好き!」

(台詞数: 50)