伊吹翼
うわー、まつりさんの部屋って、本当にマンガだらけなんだ。
徳川まつり
まつりの部屋は、きらきらした漫画の図書館なのですよ。
七尾百合子
「……男達は、その家に住んでいた老人を縛り上げて、おもむろに床板を剥がし始めた。」
伊吹翼
百合子ちゃんは小説の方が好きみたいだね、やっぱり。
徳川まつり
小説もいいですけど、漫画の力で夢の世界にゴー、するのもいいのです。
伊吹翼
まつりさん、少しマンガ借りていっていい?見たことがないのも沢山あるし。
徳川まつり
もちろんなのですー。まつりは、漫画の世界の案内人でもあるのです。
七尾百合子
「……どうやら男達は、昔この家に住んでいたようだ。そして最近、刑務所から出て来た。」
伊吹翼
ええと、どんなマンガがいいかな?よく分かんないから、表紙が可愛いのを探そ。
徳川まつり
表紙は、漫画の世界の扉です。開きたい扉をノックするのですー。
七尾百合子
「……男達は横領をし、その金を隠したらしい。しばらく土を掘り進むと、包みが出たきた。」
伊吹翼
とりあえず、この棚からガバッと取り出して……あれ?裏側にも本が有る?
徳川まつり
あ、それは見てはいけないのです!?
伊吹翼
「漫画でわかる経営術」?こっちは、「漫画で実践・心に響くスピーチ」……
伊吹翼
まつりさん、こんなマンガも読んでるの?
徳川まつり
……まつりは、まつりの王国を大きくして、まつりの国民をハッピーにしたいのです。
徳川まつり
なので、ただみんなを楽しませるだけではなくて、色々なことを知ってないとなのです。
伊吹翼
まつりさんって、本当にしっかりしてるんだね。驚いちゃうよ。
七尾百合子
「……男達は、その包みを横に放り出して、さらに掘り進めた。」
伊吹翼
……でもさ、自分の部屋で隠しておかなくてもいいんじゃない?ファンの人もここまでは見ないよ?
徳川まつり
まつりのお友達さんにも、あくまで夢を見てほしいのです。
徳川まつり
誰か一人でも、「今の世界は夢で、本当の現実は別に有る」と考え始めたら……
徳川まつり
遠くないうち、みんなの夢も覚めていくものなのです。まつりは、夢を夢のまま守るのです。
七尾百合子
「……包みは、どうやら古い週刊誌を束ねているだけのようだ。」
伊吹翼
なんだかよく分かんないけど、まつりさん、結構ストレス溜まるんじゃないかな。
徳川まつり
まつりは、きらきらしたもの・ふわふわしたもののために生きるのです。
七尾百合子
「『冴えてるだろ。誰かが床を掘っても、さっきの「安全装置」を見たら止めちまうだろ?』」
七尾百合子
「男達はさも愉快そうに、床に転がる老人に自慢した。本命の金は、さらに下にあるらしい。」
徳川まつり
百合子ちゃん?ご本もいいけど、漫画も読んでみたらいいのです。ね。
七尾百合子
あ、すみませんまつりさん。せっかく勧めてもらったのに、本にのめり込んじゃって。
伊吹翼
百合子ちゃん、まつりさんの本棚は、二重に並べてあるんだよ。
七尾百合子
分かります!私の場合は家の本棚が小さいから、無理矢理仕舞うのに二列入れしてます。
七尾百合子
でも、こんなに立派な本棚なら、好きな本を並べたい放題だろうなあ。
徳川まつり
本棚も、まつりの自慢の一品なのです。
七尾百合子
……そういえぱ、大きな棚を動かすと隠し部屋に入れるなんて、ファンタジー作品の定番ですよね。
徳川まつり
……
七尾百合子
でも現代日本に、そんな秘密の空間があることなんて……あれ?この棚、動きそう……
徳川まつり
好奇心旺盛な百合子ちゃんには、この漫画が合うと思うのです。
徳川まつり
ヒロインの冒険を、飼い猫さんが助けるお話なのです。
徳川まつり
……飼い猫さんは、旅の途中で力尽きてしまうのですけど、ね。
七尾百合子
……
七尾百合子
……!
七尾百合子
あ、ありがとうございますまつりさん。さっそくいえにかえって、このまんがをよんで、ねます。
伊吹翼
え?百合子ちゃんもう帰るの?じゃあ私も、これで失礼しまーす。
徳川まつり
……百合子ちゃんみたいに、察しのいい子は、まつり、大好きなのです。
(台詞数: 45)