少女は出会ってしまった
BGM
透明なプロローグ
脚本家
なかやま
投稿日時
2017-11-01 02:39:30

脚本家コメント
まさかこのタイミングで連続ものとか

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七尾百合子
金髪の女性に導かれるまま
七尾百合子
私はテントの中へと入って行った
福田のり子
しばしお待ちくださーい
七尾百合子
中は・・・意外と広い
七尾百合子
薄暗い空間に、夜空が描かれた舞台装置
七尾百合子
よく物語のはじまりを「幕が上がる」なんて言うけれども
七尾百合子
この小さなステージに幕はない
七尾百合子
観客席との距離がこんなにも近い
七尾百合子
私はこの空間に足を踏み入れた瞬間から
七尾百合子
非日常へと招待されていたのだ
七尾百合子
音楽が流れている
七尾百合子
動悸と同期する
七尾百合子
人が入ってくる
七尾百合子
ステージを囲むように
七尾百合子
椅子なんてものは無いから
七尾百合子
ブルーシートに皆、好きなように座る
七尾百合子
人で埋まってくる
七尾百合子
自然とみんな体育座りに近い形になる
七尾百合子
結構、人気あるのかな?演劇部・・・
七尾百合子
音量が上がる
七尾百合子
上がる
七尾百合子
ふと
七尾百合子
真っ暗になった
七尾百合子
開演だ・・・
七尾百合子
・・・
七尾百合子
そこからの事は覚えていない
七尾百合子
いや、覚えていないわけではない
七尾百合子
ただ、どんなストーリーだったか
七尾百合子
それを説明するには、私の頭の中の辞書じゃ足りなくて
七尾百合子
だただ
七尾百合子
素敵だった
七尾百合子
ワクワクした!
七尾百合子
そして最後に
七尾百合子
ボロボロ泣いていた
七尾百合子
断片的に思い出そうとすると
七尾百合子
このテント芝居に招いてくれた金髪の女の人が、舞台上で
福田のり子
1!2!3!
福田のり子
だァーーーー!
七尾百合子
と、叫んでいたシーンしか思い出せない
七尾百合子
それだけじゃない!それだけじゃなかったのに!
七尾百合子
舞台に出ていたのは2人だけだったはずなのに
七尾百合子
幾多の人とと出会ったような感覚だし
七尾百合子
そして、もう一人の役者さん
田中琴葉
・・・
七尾百合子
物語の最後に1人で独白の シーン
七尾百合子
その時の表情が、仕草が、声が
七尾百合子
心を、震わせた
七尾百合子
こんな
七尾百合子
こんな、素敵な世界があったなんて
七尾百合子
私は、出会ってしまった。

(台詞数: 50)