所恵美
アタシが幽体離脱してから数日後。
所恵美
アタシは無事、退院することができた。レッスンは無理だけど、日常生活に支障はあんまりない。
所恵美
で、今日は久しぶりに生身の体で劇場に顔を出す日。
所恵美
で、今日は久しぶりに生身の体で劇場に顔を出す日…なんだけど。
田中琴葉
「はい、恵美。私が持つから鞄貸して?」
島原エレナ
「それじゃあワタシは肩貸すヨ!」
所恵美
…事前に返信があったとはいえ、こうやって家まで出迎えられると恥ずかしいね。
所恵美
「いやいや、流石に荷物持てるし普通に歩けるからね?」
田中琴葉
「だーめ!退院下手なんだから無理しちゃぶり返すかもしれないでしょ?」
所恵美
「いやいや、風邪じゃないんだから…」
島原エレナ
「ふっふっふ…その隙に鞄は貰ったヨ!」
田中琴葉
「あ、ちょっとエレナ!?」
所恵美
…あっという間に鞄をエレナにひったくられる。それを追いかける琴葉。置いてけぼりのアタシ。
所恵美
あははっ。やっぱりアタシ達はこう賑やかじゃなくっちゃね♪
所恵美
――――――――――。
所恵美
「お、クレープ屋があるじゃん。ねえ二人とも、ちょっと寄ってかない?」
田中琴葉
「え、今から劇場に行くんでしょ?」
所恵美
「そうだけど…ちょっとだけだって」
島原エレナ
「ハーイ!ワタシチョコバナナがいい!!」
所恵美
「アタシはイチゴにしようかな。琴葉はどうする?」
田中琴葉
「え、いや、べつに私は買いたいって言ってないんだけど…」
所恵美
「じゃあ琴葉はメロンね?もちろんアイスのやつ。店員さーん!」
田中琴葉
「あ、ちょっと!!」
田中琴葉
「もう……恵美ったら」
島原エレナ
「どうしたの、コトハ?ちょっと不機嫌なノ?」
田中琴葉
「いえ、そんなわけじゃないんだけど…恵美がちょっとだけ主張が強くなったような気がして」
島原エレナ
「そう?入院してた間やりたいことができなかったから、その分はっちゃけてるだけじゃないノ?」
田中琴葉
「あー…そうかも」
田中琴葉
――――――――――。
所恵美
いやー、自分の足で歩くのも久し振りだね、劇場。
所恵美
足の裏に伝わる床の感触が懐かしい。前回来たときは宙に浮いてたからね。
所恵美
やっぱり、アタシは地に足をつけて歩く方が好きだ。
田中琴葉
「いい、恵美?あくまで今日は顔を見せに来ただけなんだからね?」
所恵美
「分かってるってば。琴葉は心配性だなぁ、にゃははっ」
所恵美
笑いながら、控え室の扉を開ける。誰かいるのかなーっと。
所恵美
「やっほ、杏奈。うん、あの時はありがとね」
所恵美
「おおっと!ただいま、環。もうちょっと元気になったら一緒に宝探ししよっか♪」
所恵美
「美也に海美。みんなが作ってくれた千羽鶴、とっても嬉しかったよ」
所恵美
「志保と静香は…今日も喧嘩してんの?いや、いつも通りといえばいつも通りで安心するけど」
所恵美
控え室にいた皆に声をかける。ちなみに、劇場に来るって言ってなかったせいで皆びっくりしてる。
島原エレナ
「もしかしてメグミ、誰にも連絡してなかったノ?」
所恵美
「いやいや、ちゃんと二人にはしてたじゃん。二人にだけは、だけど」
田中琴葉
「…め~ぐ~み~?」
所恵美
「おっと、アタシプロデューサーに挨拶してくるね!」
所恵美
琴葉が怒りだす前に退散!アタシはそのまま部屋を出て事務室の扉を開ける。
所恵美
扉を開けると、プロデューサーと小鳥がビックリした顔。その顔が見たかった、なんてね♪
所恵美
「…やっほ、プロデューサー、小鳥。見ての通り、アタシは万全だよ」
所恵美
「心配かけてごめんね。…まあ、もし次があった時、同じことやらない保証はないけどさ」
所恵美
「今回の件でいろいろ考える事があったし、いろいろ経験したけど…まずはこれだけ言わせて」
所恵美
「ただいま!」
(台詞数: 50)