田中琴葉
揺れるリズムが心地良い…
田中琴葉
感じる温もりと心地良い揺れに浸っていたいけど、醒め出した意識は待ってくれなくて…
田中琴葉
ん…
高坂海美
あ、琴葉。起きちゃった?
田中琴葉
海美ちゃん…?
田中琴葉
海美ちゃん…あれ?私、どうして?
高坂海美
よっぽど疲れてたんだね、琴葉。
高坂海美
撮り終わった後、ソファーに倒れ込む感じで眠ってたから、ちょっと心配したよ…。
田中琴葉
えっと…ごめんなさい。でも、なんで海美ちゃんの背中に…?
高坂海美
私が1人空いてたから、かな?
高坂海美
今日の撮影で、私たちの出番終わりだったからさ。
高坂海美
せっかくだから、送ってこうと思って♪撮影中はなかなか話せなかったし。
田中琴葉
…
田中琴葉
役のこともあって、皆と…特にヒーローズの皆とは距離をおくようにしてた…
田中琴葉
力のみを信じ、破壊こそが正義と信じたデストルドー総帥。
田中琴葉
他者を信じることのない【彼女】をどう演じるのか…自問自答して。
田中琴葉
だって…私には…大事な仲間が、友達が…
田中琴葉
恵美、エレナ、美也、環…事務所の皆…そして…
高坂海美
(ギュ…)?琴葉?
田中琴葉
思わず手に力がこもってしまったみたい…
田中琴葉
海美ちゃんには…剣を向けなくちゃいけなくて…
田中琴葉
上手く出来るか不安だった…
田中琴葉
最後のクライマックスの撮影まで迷いがあったんだと思う。
高坂海美
『大丈夫!琴葉、私を信じて!琴葉の本気、受け止めてみせるから‼』
田中琴葉
迷いが出てしまってたのかな…
田中琴葉
海美ちゃんの言葉が、私の背中を押した。
田中琴葉
結局、他者を信じない【彼女】を…私は相手を信じることで演じきった…
田中琴葉
ふふっ…なんかおかしいね。
高坂海美
もー、今度は1人でクスクス笑ってる!
田中琴葉
ふふっ、ごめんね、海美ちゃん。
田中琴葉
ねぇ…
田中琴葉
ねぇ…良かったら、ウチで晩御飯食べていかない?
高坂海美
え…でも、琴葉疲れてるんじゃ…?
田中琴葉
大丈夫…ちょっと今日は一緒にいたい気分なんだ…ダメかな?
高坂海美
オッケー♪そういうことなら♪琴葉のご飯、美味しいしね♪
田中琴葉
ふふっ、お世辞でも嬉しいな。
高坂海美
お世辞じゃないんだけどな…
高坂海美
じゃ、全速力で行っちゃうよ!
田中琴葉
ちょ、ちょっと待って、海美ちゃん!ひゃあ!?
高坂海美
うみみ特急は急には止まれなーい♪終点まで行っちゃうよ!
田中琴葉
…
田中琴葉
結局、【彼女】を演じきれたかどうかはわからない。
田中琴葉
でも【彼女】の孤独に触れた今は…この温もりが堪らなく愛しい…
田中琴葉
今は…この時間を大切にしようと思う。
(台詞数: 44)