徳川まつり
うーん、まだちょっと台詞が上滑りしてるのです?
田中琴葉
そうですか、難しいなあ。
田中琴葉
やっぱり、実際に失恋してみないと気持ちが掴めないものなんでしょうか、こういうのって。
徳川まつり
そんな事無いのです。それだと時代劇なんかはみーんな江戸時代に行ったこと無いのですよ?
田中琴葉
あ、そうか。なるほど。
徳川まつり
うふふ、頑張ってください?
田中琴葉
(まつりさんはああ言ったけど。私に失恋した女の子の気持ちなんて、分かりっこない。)
田中琴葉
(だってあの人は、いつだって私の事を考えてくれる。失恋なんて有り得ない。)
田中琴葉
(ですよね、プロデューサー?)
田中琴葉
私にはこういう役柄はやっぱり…あれ、何話してるんだろ。
徳川まつり
ええそうなのです。琴葉ちゃん、悩んでるみたいで…
徳川まつり
ほ?琴葉ちゃんも実際に好きな人でも出来たら分かるんじゃないかって?
徳川まつり
ダメですよプロデューサーさん。アイドルにそんな事言うのはメッ、なのです。
田中琴葉
(ふふ、プロデューサーってばあんな事言って。私にはもうあなたって人がいるのに。)
徳川まつり
あ、そう言えば。結婚式、準備進んでるのです?
徳川まつり
何故知ってるか?うふふ。この前あの人とこっそり話してるの、聞いちゃったのですよ。
徳川まつり
ご結婚おめでとうなのです、プロデューサー。いずれアイドル皆でお祝いしなくちゃですね?
田中琴葉
え…結婚?プロデューサーが?どういう事?
田中琴葉
…
徳川まつり
琴葉ちゃん。すごく良かったですよ、この前とは段違いなのです。
田中琴葉
そうですか?どうもありがとうございます。
徳川まつり
何か、きっかけを掴みましたか?
田中琴葉
ふふ、色々あったもので。
田中琴葉
(本当に、プロデューサーは私の事を分かってくれてるわ。)
田中琴葉
(私に失恋した女の子の気持ちを分からせる為に、好きでもない人と結婚するだなんて。)
田中琴葉
(本当にびっくりしたし、すごくショックだったわ。演技だって分かるまですごく辛かった。)
田中琴葉
(でも、もう充分です。)
田中琴葉
(体裁があるからすぐは無理でしょうけど、早く別れて下さいね?あの人のためにも。)
田中琴葉
(あの人にもお礼しなきゃね、こんな損な役回りを引き受けてくれたんだもの。)
田中琴葉
(お礼かあ、何がいいかしら。大人の女性が喜びそうなもの。う~ん…)
田中琴葉
(ここはやっぱり大人の人に聞くべきよね。このみさんあたりがいいかしら。)
田中琴葉
(早い方がいいわよね、うっかり間違いでもあったらお互い大変なことになるかもだし。)
田中琴葉
(今日あたりこのみさんに聞いてみよっと。一緒に買いに行くのもいいかもしれないわね。)
田中琴葉
(このみさん、そういうの得意そうだし。ふふ、ここはいい人達ばかりで本当に良かったわ。)
徳川まつり
どうかしたのです、随分嬉しそうですけど。演技が上手くいったの、そんなに良かったですか?
田中琴葉
ふふ。いえ、いい人達に巡り会えて、私は本当に幸せ者だなあって。
徳川まつり
ほ?
(台詞数: 37)