望月杏奈
(あの日から私は、結構な頻度で佐高飯店に足を運んだ)
佐竹美奈子
いらっしゃい杏里ちゃん。今日は何にする?
望月杏奈
(美奈代さんのご飯は美味しかったし、安かったのもある。でもそれだけじゃなくて……)
佐竹美奈子
へぇ……良い子だね陽子ちゃん。
望月杏奈
うん、私の大親友なの♪
望月杏奈
(とにかく居心地が良かった。美奈代さんは積極的に話してくれたから会話がはずんだし、)
望月杏奈
(“良い香り”と“良い音楽”に囲まれてるとそれだけでも気持ちも良かった。)
望月杏奈
(そうした後でやる自主トレも、心なしか上手くいってる気もしたから、余計に頻度は上がった。)
望月杏奈
(そして……)
望月杏奈
ご馳走さま♪今日も美味しかった。じゃあまた来るね♪
佐竹美奈子
はいはーい。毎度来てくれてありがとう♪杏里ちゃんなら良いヒーローになれるから頑張ってね!
望月杏奈
うん!(タッタッタッ)
望月杏奈
(夢の話もした。きっと応援してくれると思ったから……)
佐竹美奈子
……良い傾向だね。
田中琴葉
そうね。随分と心を許してくれるようになったじゃない♪
佐竹美奈子
香りに関しては料理のファクターに入ってるからね♪音楽は任せっきりだけど。
田中琴葉
そこは私のテリトリーよ。少しずつの催眠、効いてるわね。これは悩みが聞けるのも早いかも♪
佐竹美奈子
それにしても、ヒーローだもんね……何でこの町には多いのかね……
佐竹美奈子
まぁ、こんな場所だからヒーローに憧れるのも分かるし……
田中琴葉
実際に、マイティセーラー達がいるからね……
佐竹美奈子
……次回辺り、それとなく悩みを聞いてみるよ。
田中琴葉
任せたわ。こちらも、夢が分かってるから予測できる悩みの“対策”はしておくわ。
望月杏奈
(そして……)悩み……?
佐竹美奈子
うん……今日に限って、少し暗い気がしたから。明日からせっかくの連休なのに。
望月杏奈
……うん。美奈代さんには話しても良い、ううん聞いてほしい、かな……
佐竹美奈子
話すだけでも気分は軽くなると思うから、言ってみてよ。
望月杏奈
……このお店がオープンする少し前に、本物のマイティセーラーに会ったの。
望月杏奈
マイティセーラー、私が恐怖ですくんでた相手を造作もなく退治しちゃったんだよね……
望月杏奈
あの時は初めてだったし、まだ中学生って言われたらそれまでなんだけど……
望月杏奈
やっぱり力が欲しいかな。皆を守れる力が。いつまでもあの出来事が頭から離れなくて……
佐竹美奈子
……私も、杏里ちゃんにはまだ早い気はするんだけど……
佐竹美奈子
でも、力を求めることは悪いことじゃないよ♪
望月杏奈
……本当?
佐竹美奈子
うん、力があれば、何でも出来るしね。皆を守ることも、
佐竹美奈子
(ボソッ)その逆だって……
望月杏奈
……言ってみて、少し気持ちが軽くなったかも。
佐竹美奈子
……あ。私、いい人の心当たりが有るかも。
望月杏奈
え……どんな人?
佐竹美奈子
生物の動きとかを追求してる人で、科学者とスポーツトレーナーを兼任してる人だよ。
望月杏奈
へぇ……そんな人がいるんだ。
佐竹美奈子
良かったら紹介しようか?多分望んだ物が手に入るかもよ?
望月杏奈
うん、お願いします!
佐竹美奈子
それじゃまた明日、来てね♪(会計)
望月杏奈
うん!ありがとう!(タッタッタッ……)
望月杏奈
(そうして翌日。私は……)
望月杏奈
(この町から、姿を消した。)
(台詞数: 46)