所恵美
明日はライブツアー本番、しかも千秋楽。 スケジュールを確認しベッドに入る。
所恵美
「....寝れない。」
所恵美
アタシなりに頑張ってはきたけど....やっぱり緊張する。
所恵美
ライブツアーの集大成。ファンもきっと楽しみに待っていてくれている。
所恵美
...何度もやってきたはずのライブ。 それなのに手の震えが止まらない。
所恵美
もし自分のせいで台無しになってしまったら....そう思うと怖い。
所恵美
そんなネガティブイメージばかり浮かんでいる時、ケータイが鳴った。
所恵美
「相手は...琴葉?」
所恵美
おそるおそる、ケータイを耳に当て、いつも通りに話す。
所恵美
「どうしたの、こんな遅くに珍しいじゃん!」
田中琴葉
『恵美...起きてた?』
所恵美
「うん、ちょうどスケジュール確認してたトコだし、問題ないよ♪」
田中琴葉
『そう...なら良かった。』
所恵美
「どうしたのさ～、まさか緊張してんの?」
所恵美
「そういう時にお風呂に入ると、眠れるようになるってどっかで聞いたよ♪」
田中琴葉
『ふふっ...ありがとう。 恵美も大丈夫?緊張してない?』
所恵美
「アタシ? アタシは聞いての通り、この調子だから大丈夫だよ♪」
田中琴葉
『恵美、あなたはお人好しだから...実は緊張してるのを我慢してるのかもしれない。』
田中琴葉
『前に私を励ましてくれた時、あなたの手が震えてたの...気付いてたんだ。』
所恵美
「...」
所恵美
「...あっちゃ～、バレてたか～...。」
田中琴葉
『恵美、何でも一人で抱え込むのはやめて。』
田中琴葉
『あなたの周りには、あなたの事を心配してくれる人がたくさんいるの。』
所恵美
「で、でもさ!やっぱり年少組とかさ...アタシがしっかりしないと...」
田中琴葉
『恵美、あなたには私とエレナ、それに劇場のみんなやプロデューサーがついてる。』
田中琴葉
『だから心配しないで、もっと私達を頼って。 だって私達は』
田中琴葉
『だから心配しないで、もっと私達を頼って。だって私達は「マブダチ」でしょ?』
所恵美
「マブ...ダチ...」
所恵美
「....ホントさ、」
所恵美
「....ホントさ、琴葉ってそういうトコ、ズルいよ...。」
田中琴葉
『ふふっ...たまには年上らしいところ、見せなくちゃね。』
所恵美
「ほんど...じぶんだづで...ぎんぢょうじでるのにさ...」
田中琴葉
『恵美...アイドルになって、あなたに会えて本当によかった。』
所恵美
「...アタシもだよっ、」
所恵美
「...アタシもだよっ、琴葉!!」
田中琴葉
『もう遅いから、そろそろ切るわね。...誕生日おめでとう。』
所恵美
電話は切れ、さっきの静けさが部屋に戻ってきた。
所恵美
...今のアタシには最強で最高の『マブダチ』がいる。
所恵美
きっと、『マブダチ』とならどこまでも行ける気がする...。
所恵美
...きっと、明日のライブも成功する。
所恵美
...きっと、明日のライブも成功する。 そんな気がしてきた。
(台詞数: 41)